米OpenAIは、複雑なタスクに対してインターネット上での多段階での調査を実行可能なエージェント機能である「Deep research」の提供を、2月2日(現地時間)に開始した。
Deep researchは、自律的に作業を実施できるOpenAIの次世代エージェントで、プロンプトを通じて指示を与えることによって、ChatGPTが数多くのオンラインソースを検索、分析、統合して、リサーチアナリスト級の包括的なレポートを作成してくれる。
Webブラウジングとデータ分析に最適化された、近日中にリリース予定であるOpenAI o3モデルの新バージョンを搭載しており、推論を活用したインターネット上の膨大な量のテキスト、画像、PDFの検索、解釈、分析に対応するほか、遭遇した情報に応じた方向転換も可能となっている。
金融、科学、政策、エンジニアリングといった分野において集中的な知識作業を行い、徹底的かつ正確で信頼性の高いリサーチを必要とする人々に向けて構築されているほか、車、家電、家具といった慎重なリサーチが求められる買い物のような、高度にパーソナライズされた推奨事項を探している人にも役立つ。すべての出力は完全に文書化され、明確な引用と思考の要約が含まれているので、情報の参照および検証が容易であり、数多くのWebサイトを閲覧する必要があるニッチで直感的でない情報を見つける際に、とりわけ効果的といえる。
OpenAI o1と同じ強化学習手法を使用して、ブラウザとPythonツールの使用を必要とする実際のタスクでトレーニングされることで、Web全体から自律的に発見、推論、洞察を統合できる。Deep researchはその推論機能によって、さまざまなオンラインソースから広範なコンテキストと情報を収集する必要がある、仕事や日常生活で人々が直面する現実世界の多くの課題への取り組みを可能にしている。
現時点で、Deep researchはChatGPT Proユーザーを対象に最適化されたバージョンから提供が開始されており、1か月あたり最大100件のクエリを実行できる。今後は、ChatGPT PlusおよびChatGPT Teamユーザー、ChatGPT Enterpriseユーザーの順で提供が開始され、イギリス、スイス、ヨーロッパ経済地域に在住するユーザーへの提供を可能にするための取り組みも行われている。
現在は、ChatGPT WebにてDeep researchを利用できるが、今月中にはモバイルアプリとデスクトップアプリでの展開も予定する。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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