無料で学べるオンライン講座を提供、資格取得対策にも
セキュリティの専門家ではないエンジニアがサイバーセキュリティを効率的に学ぶとしたら、ネットワーキング アカデミーはいい手段になるだろう。ネットワーキング アカデミーには無料で学べるコースが用意されている。
サイトを開いて登録すると、ネットワーキング、サイバーセキュリティ、AI&データサイエンス、プログラミング、IT、デジタルリテラシー、プロフェッショナルスキルズ、サステナビリティ、シスコパケットトレーサーの9つの分野のカリキュラムが用意されている。日本語対応済みは8コース、英語は60コース以上ある。
「サイバーセキュリティ入門」だと6時間のコースとなり、その先の初級だと「Endpoint Security」(27時間)、「Network Defense」(27時間)、「Cyber Threat Management」(16時間)、さらに中級や上級になると70時間ほどのコースが用意されている。上級になると攻撃側や防御側など、極めたい分野ごとにコースが構成されているのも特徴だ。

実際にオンラインのコースを学ぶ場合、例えば「サイバーセキュリティ入門」を開くと、最初に簡単なクイズで自分の知識をチェックしてからコースが始まるようになっている。動画が多く用意されており、全体の説明から始まり、解説を読み進めていくことになる。ただインプットするだけでなく、節目となるところで理解度をチェックするクイズが表示される。章の最後にもテストが用意されていて、学習の終わりにどれだけ身についたか確認が可能だ。
また受講の特典として「Packet Tracer」というシミュレーションツールを無料でダウンロードできる。これはコマンドを叩きながら、どこでエラーが起きているかを実際の機器を触っているような感覚で体験できる教材となっている。
コースは多言語対応しているため、英語、フランス語、スペイン語など日本語以外の言語で受講することもできる。コースの途中で言語を切り替えることも可能だ。受講生のなかには、語学学習も兼ねて受講している人もいる。いまセキュリティやITの現場では日本語以外の言語でコミュニケーションすることもあるため、ここで語学を学ぶというのもよい選択肢だ。
ネットワーキング アカデミーで学びながら、認定資格取得を目標にするのもいいだろう。シスコ認定資格にはCCNAやCCNP、あるいはDevNetが有名だが、2023年からエントリー向けのCCST(Cisco Certified Support Technician)が新設になった。CCSTにはネットワーキング、サイバーセキュリティ、IT Supportの3種類がある。ネットワーキング アカデミーには、CCSTの学習教材も公開されている。
冒頭でも述べたように、ネットワーキング アカデミーはすべての人に教育の機会を平等に提供することを掲げたシスコのCSR活動のひとつである。専門知識を身につけ、さらに高めることで、職業や地域貢献につなげることを狙いとしている。名古屋在住の福田氏は、自身の願いとして「自分が生まれた土地に誇りを持ち、より住みやすい環境にするための地域課題を解決するツールとして、ITをもっと活用してもらいたい。そのためにネットワーキング アカデミーをひとつのきっかけにしてもらい、そして人材を地産地消できるよう推進していきたい」と話す。
直近ではこれまでになく門戸を広げており、ネットワーキング アカデミーの受講者を5年で10万人達成を目標としている。最後に福田氏は「コードが書けて、セキュリティやネットワークインフラの知識、経験があれば、より多様なキャリアパスを開拓していけるでしょう」と力強く述べた。