組織の成長痛と喜び、そして市場志向のチームへ
こうして動き出したBPaaSプロダクト組織は、この1年の間に3倍に急成長した。その過程ではさまざまな苦労があったと、平本氏は振り返る。
まずは意思決定の難しさだ。平本氏自身のリソースを、目先の課題解決に割くか、それとも将来のために使うべきか。現場の意思決定にコミットするか、それとも採用活動に時間を割くべきかといった具合だ。また採用の不確実性やBPaaSプロダクトの具体像が不明確な中で、QCDS(品質・コスト・納期・スコープ)、いわゆるトレードオフスライダーの管理も難題だった。また平本氏にとって意外だったのは、開発プロセスを確立する難しさだ。社外からメンバーを集めたので、それぞれの常識や言語が微妙に異なっていたという。そこで、BPaaSとして目指すべき姿を念頭に置きながら、都度すり合わせを通して共通言語を確立する必要があった。
一方で、平本氏がうれしかったこととして挙げたのが、0→1フェーズならではの面白さだ。新しいスキルを持ったメンバーの活躍により、チームの役割分担がスムーズに変化していったことや、予想を超えたメンバーの成長が大きな喜びだったと、平本氏は語る。例えば、あるUIデザイナーは、エンジニアの業務を理解しようと自主的に基本情報技術者試験を勉強し、見事合格。チームでの業務に活かしているという。
「メンバーが急成長する瞬間を目の当たりにして、とてもうれしかった。全体的に熱量の高いメンバーがそろっていると実感する。このような良い状況を、今後も継続していくことが大切だ」(平本氏)
今後の展望として平本氏は、BPaaSという新規性の高いプロダクト開発にあたり、市場や顧客のニーズにフォーカスした、市場志向のプロダクト開発チームを構築したいと述べる。またチームが大きくなっても、多変数な要素を考慮しながら、幅広いスキルをもつジェネラリストなチームを維持していきたいと抱負を語った。
最後に平本氏は、「BPaaS開発の最前線から戦略設計まで、オーナーシップを発揮しながら一緒にプロダクトを作り上げる仲間を求めている」と参加者にラブコールを送り、講演を締めくくった。

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