Azure Artifactsを使ってみよう(2)
パッケージの利用
公開されたパッケージを他のプロジェクトで利用してみましょう。Visual Studio Codeで新しいコンソールアプリケーションを作成し、作成したライブラリを使用します。
(1)新しいコンソールアプリケーションの作成
新しいフォルダ「MathLibraryConsumer」を作成し、Visual Studio Codeでコンソールアプリケーションプロジェクトを作成します。
コマンドパレット(Ctrl+Shift+P または Cmd+Shift+P)を開き、「.NET: 新しいプロジェクト」と入力して選択するとプロジェクトテンプレートの選択画面が表示されるので、「コンソールアプリ」を選択します。次にプロジェクト名の入力が求められるので、「MathLibraryConsumer」と入力します。
(2)Azure Artifactsフィードの設定
nuget.configファイルを作成して、Azure Artifactsのフィードを参照できるように設定します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <configuration> <packageSources> <!-- 既存のパッケージソースをクリア --> <clear /> <!-- Azure Artifactsのフィードを追加 --> <add key="WingsFeed" value="https://pkgs.dev.azure.com/{organization}/{project}/_packaging/{feedname}/nuget/v3/index.json" /> <!-- 公式NuGetギャラリーも利用可能にする --> <add key="nuget.org" value="https://api.nuget.org/v3/index.json" /> </packageSources> </configuration>
(3)パッケージ参照の追加
ターミナルでパッケージ参照を追加します。
cd MathLibraryConsumer # パッケージ参照の追加 dotnet add package Wings.MathLibrary --version 1.0.0
パッケージ参照を追加すると、.csprojファイルに「Wings.MathLibrary」の参照情報が追加されます。
(4)ライブラリの利用コード実装
Program.csファイルを編集して、作成したライブラリを使用します。
using Wings.MathLibrary; class Program { static void Main(string[] args) { Console.WriteLine("数学ライブラリのテストプログラム"); Console.WriteLine("================================"); var calculator = new Calculator(); // 加算のテスト int addResult = calculator.Add(10, 20); Console.WriteLine($"10 + 20 = {addResult}"); // 乗算のテスト int multiplyResult = calculator.Multiply(5, 8); Console.WriteLine($"5 × 8 = {multiplyResult}"); // 除算のテスト try { double divideResult = calculator.Divide(15, 3); Console.WriteLine($"15 ÷ 3 = {divideResult}"); } catch (DivideByZeroException ex) { Console.WriteLine($"エラー: {ex.Message}"); } Console.WriteLine("テスト完了"); } }
加算、乗算、除算をライブラリを用いて計算し、計算結果をコンソールに出力する簡単なプログラムです。このコードでライブラリを正しく読み込み、利用できているかを確認します。
(5)アプリケーションの実行
ターミナルで以下のコマンドを実行して、アプリケーションを動作確認します。
# アプリケーションの実行 dotnet run 数学ライブラリのテストプログラム ================================ 10 + 20 = 30 5 × 8 = 40 15 ÷ 3 = 5 テスト完了
「dotnet run」コマンドを実行すると、「Program.cs」のMainメソッドが実行され、計算結果がコンソールに出力されます。これでライブラリを利用したプログラムが正しく動作することが確認できました。
まとめ
今回は、Azure DevOpsサービスの一つであるAzure Artifactsについて、概要とパッケージの公開・利用方法について説明しました。次回は、作成したライブラリをAzure Repos上で管理してAzure Pipelinesで自動でビルド・公開する連携方法について紹介する予定です。