ODBCを使ったSQL文の実行
ODBCをサポートしているツールであれば、Cachéに対してSQL文を使ってODBC経由で操作可能です。
ここでは、フリーウェアのCSEというツールを使ってCachéにSQL文でアクセスします。CSEは、「つみきウェブ」からダウンロードできます。ZIPファイルを適当なディレクトリで解凍後、「cse.exe」を実行します。
[データベース]メニューから接続を選択し、
DBMSで「ODBC汎用」、データソースで「CACHE Samples」を選択し、[OK]ボタンを押します。
そうすると、コンソールウィンドウに次のようなメッセージが表示されます。
InterSystems Cache version Cache Objects Version 2007.1.3.607 Cach[&:eacute;] xDBC Server 6.10に接続されました。
上のコマンドウインドウに以下のSQL文を入力します。
select * from sample.person
そして、[データベース]メニューから[実行]を選択するか、一番下のツールバーからえんじ色の!マークをクリックします。
そうすると、コンソールに検索結果が次のように返ってきます。
JDBCを使ったSQL文の実行
Cachéをインストールすると、自動的にJavaを使ったJDBCのサンプルアプリケーションもインストールされます。そのサンプルの1つを動作させて、JDBCでのアクセスが可能であることを確認しましょう。
標準インストールを行なった場合、以下のディレクトリに「JDBCQuery.java」というファイルがあります。
c:\InterSystems\Cache\Dev\java\samples
このjavaプログラムをeclipseなどのJava IDE上でコンパイルし、実行してみます。
その際に、CLASSPATHに次のようにCachéのライブラリjarファイルの場所を指定します。
次のようにコンソールから、batファイルとして以下の内容を含むものを作成し、直接実行することも可能です。
Set CLASSPATH=%CLASSPATH%;.;C:\InterSystems\Cache\dev\java\lib \JDK15\CacheDB.jar javac JDBCQuery.java java JDBCQuery
終わりに
通常、オブジェクト指向的な考え方とリレーショナル的な考え方は、相容れないものと考えられており、一般的にはこれを「O/Rミスマッチ」と呼びます。このO/Rミスマッチを解消するためには、双方を結びつけるためのマッピングが必要と考えられていますが、双方のマッピングを維持管理していくことは、定義が増えるにつれ困難になっていきます。
Cachéは、言わば、このマッピングをシステムとして自動的に維持管理していってくれるわけで、人的な管理がまったく必要ありません。先進のオブジェクト指向フレームワークを実装しながら、Cachéが普通のリレーショナルデータベースシステムと何ら変わりなく、SQL文を使ってアクセスできることを理解いただければ幸いです。