はじめに
COBOLとは事務処理用として開発されたプログラミング言語です。歴史が古いので、今でも汎用機を中心に利用されています。最近では汎用機からサーバマシンにダウンサイジングが流行っているようですが、COBOLとWEB系開発言語、汎用機とサーバマシンの両方を精通している技術者が不足気味といった状況です。
今回は、LinuxでCOBOLの開発環境を構築し、簡単なプログラムを作成してみます。
COBOLとは
ご存知の方もいると思いますが、簡単にCOBOLのことについて解説します。COmmon Business Oriented Languageの頭文字を取りCOBOLと命名され、「コボル」と読みます。1959年にCODASYL(Conference on Data Systems Languages、データシステムズ言語協議会)よって規格化されました。
COBOLには4つのDIVISIONがあり、処理手続きの文法は英語の文章とほぼ同じなため、デバッグおよびメンテナンスに優れています。また、帳票定義機能とデータの整列の機能がインラインで装備されており、1つのプログラムソースで、すべての事務処理をコーディングすることも可能です。
COBOLの文法、詳細な特徴については、稿を改めて紹介します。
今回必要とする環境
1.プロダクト
(1) OS
今回はLinuxで環境構築を行います。ただし、UNIX互換OSであれば、問題なくインストールできます。カーネルバージョンは特に問いませんが、本稿では2.6系で動作を確認しています。OSのインストール方法については本稿では割愛いたします。
(2) コンパイラ
OpenCOBOLのインストール時にcコンパイラを使用します。cコンパイラまたはgccをターゲットマシンでご用意ください(通常にlinuxを導入した場合はcコンパイラ/gccはインストールされています)。
Linuxではrpmコマンドによりgccパッケージのインストール可否が確認できます。インストールターゲットマシンにターミナルで接続し、以下コマンドを打鍵して確認してください。
rpm -qa|grep gcc
コマンドを実行し、以下のように表示されていればgccパッケージは導入されています。
[e-fuse@]$ rpm -qa|grep gcc gcc-4.2.3 libgcc-4.2.3 [e-fuse@]$
ソースで提供されているプロダクトをコンパイルおよびセットアップするためには最低限cコンパイラ/gccが必要となります。従って、よほどのことがない限り、cコンパイラ/gccはインストールされているはずですが、もしインストールされていない場合は、以下コラムを参照にしてgccをインストールしてください。
2.rpmコマンドで導入します
rpm -ivh gccパッケージファイル名
yum install gcc
2.必要なハードウェアスペック
Linuxがインストールできていれば、CPU、メモリに関しては問題ありません。ただし、OpenCOBOL本体のインストールに最低10MBが必要です。なお、ロースペックの構成ですと、コンパイル、実行モジュール作成に時間がかかることがあります。
3.その他
OpenCOBOLはSorceForgeより取得します。ターゲットマシンでインターネットに接続し取得するか、他のマシンで取得したソースを取り込めるようにする必要があります。今回は、ターゲットマシンをインターネットに接続し、ソースを取得する方法で解説します。