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ライフスタイル/コーディングスタイル、四者四様の“流儀”からなにを学ぶか?
ITpro Challenge!レポート(前編)

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2008/09/10 20:50

 去る9月5日に開催されたオープンソース系開発者向けカンファレンス「ITpro Challenge! 2008」(主催:日経BP、「XDev 2008」と同時開催)は大変興味深く、素晴らしい講演会になった。日本を代表するような4人の独創的な開発者の講演をぜひお読みいただきたい。(後編は こちら)

目次

 去る9月5日に開催されたオープンソース系開発者向けカンファレンス「ITpro Challenge! 2008」(主催:日経BP、「XDev 2008」と同時開催)は大変興味深く、素晴らしい講演会になった。日本を代表するような4人の独創的な開発者が、「プログラマの挑戦が世界を変える、ハッカーの流儀がメインストリームになる」というテーマに沿って、自らのプログラマーとして歩んできた道やプログラミングスタイルを、ざっくばらんに語ったのである。

 世界を変えるプログラマーとして話者に選ばれたのは、モバゲータウンを作った川崎修平さん、仏ネクセディ社CTOの奥地秀則さん、米シックス・アパートの宮川達彦さん、Winnyの作者として知られる金子勇さん。いずれ劣らぬ挑戦者ばかりである。しかしそれゆえに属人性も大変高そうにも思える彼らの“流儀”の中に、私たち凡人でも何か真似できるようなことはあるだろうか。襟を正し、虚心坦懐に記者でもできそうなアドバイスを探しながら拝聴した。

川崎修平さん ―― 自宅に籠もるエースプログラマー

 DeNAのケータイサービス「モバオク」「ポケットアフィリエイト」「モバゲー」を1人で作った川崎修平さんのプログラミングスタイルは、まるで“ひきこもり”のようだ。開発に着手してからほぼでき上がるまで、出社しないのである。自宅で開発し、基本的に会社に連絡も取らないというのだ。

 やる気が出るまで横になって漫画を読む。20巻くらいの長さで「北斗の拳」のような漢(おとこ)らしい作品を読む。すると、やる気がかなり沸いてくる。ちょっと疲れたときは短めの「げんしけん」のような作品をチョイス。逆にダメなときは「三国志」全60巻を読み通す。さすがに「ここまで遊んだんだから」と、仕事にかかる気分になる。でも疲れると頭が働かないので、設計も寝ながら行うという。

 しかし、いったんサービスのイメージができ上がれば、後は力尽きるまで作り続ける。食事もあまり取らず、午後の紅茶ミルクティが主食になる。連絡を取らないとはいえ、開発中のコードは自宅サーバに置き、上司や同僚がネットワーク越しにいつでも進捗を確認できる。ソースコードそのものが成果であり、報告書であり、ドキュメントであり、仕様であるという考え方だ。

 川崎さん自身は、「モバオク」などのケータイサービスは当初あまり期待されたものではなかったことが幸いして、1人で自由に作ることができたと語る。もっとも「じゃあ家で作ってきます」って自宅に籠もらせてもらえるのは、その会社を代表するエースプログラマーくらいだろう。われわれ一般ピープルが下手に真似をすると「そのままずっと家にいてもいいよ」と言われかねないので注意したい。

DeNA 川崎修平さん
DeNA 川崎修平さん

自分が作りたいものとユーザーの使いたいサービスを一致させる

 1人でサービスを作れるということは、自分の作りたいものを作るチャンス。川崎さんは、自分が作りたいものを作っているときに「いちばん魂がこもる」という。さらに、「こんなサービスが、ある日突然目の前に現れたら絶対ワクワクして人に教えるよね」みたいな高揚感がないと、あまりやる気が出ないともいう。

 モバオクを1人で作っていいという話になったときには、もともとネットオークションに興味があり、オークファンの前身サイト「オークション統計ページ(仮)」を自宅サーバで運営していたほどだけに、「しめたもんだ」と思った。逆に自分があまり使わないSNSサービス(モバゲータウン)を作るときには「自分でも使えるサービスを」と考えた。

 しかし、自分が作りたいように作るだけだと、どうしても独りよがりなものになってしまう。川崎さんは、サービスが当たったときに定期的に発生する修羅場こそがサービス開発の醍醐味であり、トラフィック増加の負荷対策に1番幸せが感じられるという。それを味わうためには、自分が作りたいサービスとユーザーが使いたいサービスが一致するように訓練しないといけない。

 サービスを作るときには、最初に「こう使われるだろう」という仮説を立て、実際に思ったとおりに使われたか、それともぜんぜん違う使われ方をしたのか、ユーザーからのフィードバックを確認する。これを繰り返していくことで、だんだんユーザーと感覚が合ってくる。そうすると「自分が面白いと思ったものを作れば、一般ユーザーにも受け入れられるものができる」という幸せな構造になるのだという。


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  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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