はじめに
エンジニアの皆さんは普段さまざまな常識にとらわれていませんか? そのような常識の多くは、思い込みであり、あなたの能力や生産性を妨げる要因となっています。この連載では固定観念を打ち破り、ユーザー視点でハイクオリティなシゴトをこなす「リアルエンジニア」への一歩を踏み出すアイデアの数々を紹介します。
抜け出せ! 英文法の呪縛
ベテランほど、「だって、そういうもの」的な美にこだわるようです。
例えば、プログラミング言語は英語を基調としています。「英文法を意識した方が美しい。だって、そういうものだろ」というのはその代表例です。
まず、能書きなしでこの例を見てください。直感的にどちらが美しいか、子供のようなキレイな心で見てください。
TopMargin = 10; BottomMargin = 10; LeftMargin = 20; RightMargin = 20;
MarginTop = 10; MarginBottom = 10; MarginLeft = 20; MarginRight = 20;
例Aは英文法に従った記述、例BはMarginを最初に持ってきた記述です。
どうですか?
英文法を無視した例Bの方が「Margin」がキレイに揃っていて美しくはないですか。ここまでキレイにそろうと、代入部分「= 10;
」とかも揃えたくなるものです。
MarginTop = 10; MarginBottom = 10; MarginLeft = 20; MarginRight = 20;
さらに美しくなりました。ソースの視認性が上がり、メンテナンスもしやすくなるでしょう。
最近はクラスで設計するので、
Margin->Top = 10;
と記述することが多いのですが、あえてネーミングという視点で読んでください。
常識の呪縛につかまっていませんか? 「あるべき美しい姿」と思ってるのは本当に美しいですか?