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渋谷テクニカルナイト講師陣が語る新技術動向

はじめて使うJazz
― チーム開発のためのオープンな統合プラットフォーム

渋谷テクニカルナイト講師陣が語る新技術動向 第3回


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 「Jazz」は、ソフトウェア開発チームのコラボレーションを支援するための新しいプラットフォーム、およびそれらを開発するプロジェクトの名称です。Jazzプロジェクトは、人々がソフトウェア開発において、いかにコラボレーションし、生産性を向上させ、透明性を確保してソフトウェア開発を行うかという観点で開発されています。本稿では、日本語にも対応したRational Team Concert V1.0.1.1のM1のダウンロードとインストール手順を紹介します。

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チーム開発のためのオープンな統合プラットフォーム「Jazz」

 Jazzプロジェクトと言っても日本ではご存じない方もいらっしゃるかもしれません。「Jazz」とは、ソフトウェア開発チームのコラボレーションを支援するための新しいテクノロジー・プラットフォームであり、それらを開発するプロジェクトの名称です。大きな成功を収めたEclipseプロジェクトの次のステージとしてIBMが進めているプロジェクトです。Jazzプロジェクトは、人々がソフトウェア開発においてどのように協調して働くべきか、すなわち、いかにコラボレーションし、生産性を向上させ、透明性を確保してソフトウェア開発を行うかという観点で開発されています。

 Eclipseは、エディター、コンパイラー、デバッガーなど開発者がこれまで別々に利用していたツール群を1つの環境に統合したプラットフォームを提供することによって開発者個人の生産性を向上させてくれました。Jazzでは開発者である個人個人が、チーム開発を行う場合に必要となるソースコードの共有、ビルド、変更や作業のトラッキングやコントロールといった開発プロセスの要素までも1つの環境に統合するオープンなプラットフォームを提供しようとしています。

 Jazzプロジェクトの成果として2009年1月16日に日本語を含む13ヶ国語に対応したRational Team Concert V1.0.1.1のM1(マイルストーン1)が公開されました。この記事か公開されるころには、M2がリリースされている予定です。

 Jazzプロジェクトのチーフ・アーキテクトは、エリック・ガンマです。エリック・ガンマと言えば、デザイン・パターンの著者、Eclipseの開発メンバーとして有名です。エリック・ガンマは、これまでの講演の中で、Eclipse開発で得た教訓がJazzプロジェクトに活かされていると言っています。すなわち、Eclipseという成功した大規模なチーム開発のベストプラクティスが詰め込まれた成果がRational Team Concertなのです。

 Rational Team Concertのアーキテクチャは、次の図のようにアプリケーションサーバーとEclipse、Visual Studio .NET、Webブラウザのクライアントというインターネット環境のオープンなアーキテクチャを採用しています。

 今回の記事では、日本語にも対応したRational Team Concert V1.0.1.1のM1(以下、RTC)のダウンロードとインストール手順を紹介したいと思います。RTCは開発者3名までなら、無料で使用することができます。まず、全体の流れを示します。

  1. RTCのダウンロード
  2. RTCのインストール
  3. サーバーのセットアップ
  4. ユーザーの作成
  5. プロジェクトの作成
  6. クライアントのセットアップ
  7. Eclipseプロジェクトの共有

 この記事の手順はRTC V1.0.1.1 M1に対する手順であり、今後のリリースでは手順や日本語の表現が変更される場合があります。

RTCのダウンロード

 RTCのインストーラーは、jazz.netのサイトからを入手できます。入手にはユーザー登録(登録は無料)が必要です。

 ユーザー登録は、jazz.netサイトから[Register now!]のリンクをクリックして登録してください。

 ユーザー登録後、ログインしたらページ上部の[Downloads]からたどって、Rational Team Concertのダウンロード・ページに行きます(ここでは「1.0.1.1M1」)。 

 RTCには、サポートする開発者人数に合わせて、10人までのExpress-C、50人までのExpress、250人までのStandardの3つのエディションがあります。今回は、無償版のRTC Express-CのファイルRTC-ExpressC-Full-1.0.1.1M1-Win.zip(約500MB)をダウンロードします。Express-Cの[ZIP]の[Client for Eclipse IDE and ServerのPlatform Windows]のリンクをクリックしてください。Express-Cでは、3名のクライアント・アクセス・ライセンスが含まれています。無償でお使いいただけるのは開発者3名までで、4名以上の場合はクライアント・アクセス・ライセンスを追加で購入いただく必要があります。

RTCのインストール

 RTC Express-Cのインストールは、ダウンロードしたZIPファイルを任意のディレクトリーに展開するだけで完了です。今回はCドライブのルートに展開します。ZIPファイルを展開すると以下の図のようなjazzディレクトリーの下に5つのディレクトリーからなる構造になります。

jazzディレクトリー下の5つのディレクトリー
ディレクトリー 機能
server Jazz TEAM Server
client RTCクライアント
buildsystem スケジュール・ビルド可能なビルドエンジン
scmtools コマンドラインからリポジトリーにアクセスするコマンドを提供
repotools リポジトリーのバックアップやリストアなどのコマンドを提供

 今回のM1では、日本語に一部問題があるためパッチが提供されています。サーバーを起動する前にC:\jazz\server\nl1-update-site\plugins ディレクトリーにある com.ibm.team.process.definitions.server.nl1_0.7.0.v200901152152.jar を添付Jarで置き換えてください。M2では問題は修正される予定ですのでパッチは不要になるはずです。

次のページ
サーバーのセットアップ

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この記事の著者

和田 洋(ワダ ヒロシ)

 日本アイ・ビー・エム公認のソフトウェア・エバンジェリスト。ソフトウェア開発は、個人の効率から、組織全体の効率へと世の中の要求は広がってきています。それに伴って、従来のやり方に新しいやり方が追加されたり、それを支援する新しいツールが登場したり、ついつい新しいものに振り回されがち(自戒も込めて)です。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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