ヒープとは
配列ar[0]...ar[N-1]
を考えましょう。配列は各要素が線型に並んだ集合です。ここで配列の各要素をnode(ノード/節)と呼ぶことにします。i番目のnode ar[i]
に対してar[2*i+1]
とar[2*i+2]
の2つのnodeをar[i]
の「子」、ar[i]
を子nodeの「親」と呼びましょう(fig-01)。
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この対応付けによって、配列の各要素はar[0]
をroot(ルート/根)としてその子node、さらにその子node……のように漏れ/重複なくたどることができます(fig-02)。

つまりこの線型な要素の並びは二分木(BinaryTree)と見立てることができるわけです(fig-03)。
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さて、ここで「木の中にある各節について、親は子より小さくない(親 >= 子)」という条件を与えます。この条件を満たした例を fig-04 に示します。この条件:「親は子より小さくない」を満たした木をheap(ヒープ)と呼びましょう。
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ヒープに要素を追加する
fig-04で示すヒープに要素を追加する方法を考えます。このヒープの末尾、すなわち配列の末尾に要素「9」を追加しました(fig-05)。

追加した要素がその親(ここでは「7」)より大きくなければヒープの条件を満たすので要素の追加はこれで完了です。ところがここで追加した要素「9」は親より大きく、ヒープの条件を満たしません。そこで追加した要素「9」とその親「7」とを交換します(fig-06)。
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処理はこれで終わりではありません。親子の交換によって親の値が変化したのですから、さらにその上の親との間でヒープ条件を満たすかを確認し、大小関係が壊れていたら(親 < 子なら)交換しなければなりません。この処理を親子の大小関係が整うまで繰り返します(fig-07)。
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