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ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門

ASP.NET MVCと周辺技術の活用テクニック

ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門(6)

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サードベンダーによるASP.NET MVCサポートについて

 これまでも言及しましたが、ASP.NET MVCはポストバックやサーバーコントロールなどの仕組みを原則利用しないでアプリケーションを構築します。また、ASP.NET MVCはASP.NET以上にヘルパーメソッドの存在により自作でアプリケーションを構築しやすい作りになっています。基本がサーバーコントロールを利用しないアプリケーションであるため、サードベンダーの製品はヘルパーメソッドの拡張などが主流になりそうです。

 ただし、サードベンダーごとにASP.NET MVCに対するアプローチが異なるので簡単にですがASP.NET MVCにおける開発状況を積極的にアピールしている2社(共に米国)のアプローチについて紹介します。

Telerik社の場合(フレームワークの拡張によるアプローチ)

 Telerik社は、jQueryに基づいたクライアントサイドのモジュールと、ASP.NET MVCフレームワーク自身の機能拡張を行っています。

 例えば、HTMLヘルパークラスに独自のjQueryクラスを拡張し、jQueryのメソッドチェーンのように機能を実装できます。現在は、Accordion(折り畳み可能なペイン)/DataPicker(カレンダーから日付を選択する入力補助)/MessageBox(ページ内で情報を表示するメッセージボックス)/ProgressBar(進捗バー)/Slider(スライダー)/Tab(タブ)の計6種類のメソッドが提供されています。

jQueryライクなソース
<% Html.jQuery().Slider().Name("mySlider").Render(); %>

 上記ソースにより、ViewPage上にname="mySlider"というスライダーが生成されます。Telerik社のページでは実際の挙動などが確認できますので、興味がある方は併せて参照してください。

 Telerik社のASP.NET MVCに対する取り組みに関する詳細は公式ページを参照ください。

DeveloperExpress社の場合(サーバーコントロールの利用)

 DeveloperExpress社の場合は、ASP.NET MVCがASP.NET 3.5 SP1(WebForm)上で動作するという原理その物を利用し、自社のサーバーコントロールをASP.NET MVC上で動作するように改良しています。一見すると、MVCでも簡単にビューを作成できるの?と感じますが、サーバーコントロールならではの注意点があります。

 例えば、クリーンなHTMLを意図的に生成しやすいASP.NET MVCのソース内にViewStateやコントロールが自動生成するソースが混在してしまうという点です。

 このアプローチ方法はASP.NET MVCのメリットを奪い兼ねない部分もありますが、それ以上に同社の製品を購入し、WebFormを開発してきた開発者にとって、慣れ親しんだ高機能なサーバーコントロールを生かしつつ、ASP.NET MVCのハイブリッドアプリケーションを作れるというメリットもあります。

 事実、同社が提供しているサンプルでも操作性の良いコントロールをうまく活用しているため、開発工数を削減しつつも高機能なWebアプリケーションが提供できるようです。

 DeveloperExpress社のページでも実際の挙動などが確認できますので、興味がある方は同ページも参照してください。

今後の展開に注目!

 今回はTelerik社、DeveloperExpress社のアプローチを覗いてみましたが、ASP.NET AJAXが登場したとき以上にASP.NET MVCにおけるアプローチは各社により対応が異なるようです。冒頭に既述したようにASP.NET MVCはWebForm以上にさまざまな物を自前で用意することが多くなりがちですが、開発生産性を求めるのであれば、サードベンダー製の製品についても調べてみる価値がありそうです。

次のページ
ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーション構築方法

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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