ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーション構築方法
ASP.NET MVCはASP.NET 3.5の上にあるフレームワークです。そのため、一見不可能に感じますが、ASP.NET MVCアプリケーション上でもWebFormの開発が実現できます。
ASP.NET MVC上でWebFormを使う場合のポイント
本来であれば、ASP.NET MVCを選択している時点でWebFormを使うというシナリオはかなり低いとは思いますが、既存のWebアプリケーションの一部を流用したい場合など、ないとは言い切れません。
ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションを作成する際の重要なポイントは大きく分けて2つです。
1.先にASP.NET MVCのプロジェクトを作成する
ルーティングやMVCの仕組みのテンプレートをすべて手で設定していけるのであれば重要ではありませんが、思いの外煩雑なので先にASP.NET MVCアプリケーションを作成することをお勧めします。
2.WebForm専用のフォルダを作成する
当然のことですが、ASP.NET MVCとWebFormの切り分けとしてWebForm専用のフォルダを1つ用意し、そちらにWebFormを追加していけば管理もしやすくなります(図4)。
ASP.NET MVCとWebForm間のページ遷移について
ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションで気になる点があるとすればページ遷移の設定だと思いますが、こちらの設定も基本通りです。ASP.NET MVCとWebFormの場合はActionLinkメソッドなどを使わずアンカーリンクタグを使用して遷移します。それぞれの違いは、「URLルーティングによるURLか」「階層構造によるURL+.aspxの拡張子が付くか」の違いです。
<a href="/WebForm/WebForm1.aspx">WebForm</a>
上記は図4の構成の場合の設定です。逆にWebFormからASP.NET MVCのViewPageへの遷移はこちらの通りです。
<a href="/Home/Index">ASP.NET MVC</a>
若干の違いがありますが、このような遷移方法さえ覚えておけばASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションが簡単に構築できるようになります。
実際にWebFormの動作は図5~6の通りです。
URLの末尾に.aspxと、ファイル名が付いていることが確認できます。こちらはサンプルとしてテキストボックスに入力された値をボタンクリック時にラベルに表示するというシンプルな物です。
想定の動作をしていることが確認できます。
以上がハイブリッドアプリケーションの基本です。
あと、WebFormから標準で付加されているsite.master、やMVCプロジェクトで利用しているマスターページを利用する(その場合、新しい項目の追加でWebコンテンツフォームを選択する必要がある)ことはできなくはないですが、HTMLヘルパーの動作により、意図しないエラーが発生する可能性が高くなります。
WebFormからマスターページを利用する際には、HTMLヘルパーを利用しないマスターページを別に作るほうが良いでしょう。