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ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門

ASP.NET MVCと周辺技術の活用テクニック

ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門(6)

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ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーション構築方法

 ASP.NET MVCはASP.NET 3.5の上にあるフレームワークです。そのため、一見不可能に感じますが、ASP.NET MVCアプリケーション上でもWebFormの開発が実現できます。

ASP.NET MVC上でWebFormを使う場合のポイント

 本来であれば、ASP.NET MVCを選択している時点でWebFormを使うというシナリオはかなり低いとは思いますが、既存のWebアプリケーションの一部を流用したい場合など、ないとは言い切れません。

 ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションを作成する際の重要なポイントは大きく分けて2つです。

1.先にASP.NET MVCのプロジェクトを作成する

 ルーティングやMVCの仕組みのテンプレートをすべて手で設定していけるのであれば重要ではありませんが、思いの外煩雑なので先にASP.NET MVCアプリケーションを作成することをお勧めします。

2.WebForm専用のフォルダを作成する

 当然のことですが、ASP.NET MVCとWebFormの切り分けとしてWebForm専用のフォルダを1つ用意し、そちらにWebFormを追加していけば管理もしやすくなります(図4)。

図4 WebForm専用フォルダ例
図4 WebForm専用フォルダ例

ASP.NET MVCとWebForm間のページ遷移について

 ASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションで気になる点があるとすればページ遷移の設定だと思いますが、こちらの設定も基本通りです。ASP.NET MVCとWebFormの場合はActionLinkメソッドなどを使わずアンカーリンクタグを使用して遷移します。それぞれの違いは、「URLルーティングによるURLか」「階層構造によるURL+.aspxの拡張子が付くか」の違いです。

WebFormページへの遷移設定
<a href="/WebForm/WebForm1.aspx">WebForm</a>

 上記は図4の構成の場合の設定です。逆にWebFormからASP.NET MVCのViewPageへの遷移はこちらの通りです。

ASP.NET MVCのViewPageへの遷移設定
<a href="/Home/Index">ASP.NET MVC</a>

 若干の違いがありますが、このような遷移方法さえ覚えておけばASP.NET MVCとWebFormのハイブリッドアプリケーションが簡単に構築できるようになります。

 実際にWebFormの動作は図5~6の通りです。

図5 WebFormの動作例1
図5 WebFormの動作例1

 URLの末尾に.aspxと、ファイル名が付いていることが確認できます。こちらはサンプルとしてテキストボックスに入力された値をボタンクリック時にラベルに表示するというシンプルな物です。

図6 WebFormの動作例2
図6 WebFormの動作例2

 想定の動作をしていることが確認できます。

 以上がハイブリッドアプリケーションの基本です。

 あと、WebFormから標準で付加されているsite.master、やMVCプロジェクトで利用しているマスターページを利用する(その場合、新しい項目の追加でWebコンテンツフォームを選択する必要がある)ことはできなくはないですが、HTMLヘルパーの動作により、意図しないエラーが発生する可能性が高くなります。

 WebFormからマスターページを利用する際には、HTMLヘルパーを利用しないマスターページを別に作るほうが良いでしょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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