Apps連携サービスのオンラインストア「Google Apps Marketplace」公開
11日、Googleの開発者向けイベント「DevFest 2010 Japan」が開催された。
今回の参加条件は少し変わった趣向が凝らされており、申し込みの際に出題されたDevQuizという全10問のスコア上位者のみが来場することができた。この件に関して基調講演では「招待制や先着順などのイベントの参加システムに疑問を感じていた。情報収集に意欲的な方が参加でき、楽しい物を考えてこのシステムに至った」(石原氏)と語られた。パススコアは46点中22点。2113人の申し込みがあり、461人が参加できる権利を勝ち取った。
基調講演では、まずはじめにGoogle東京研究開発センターのエンジニアリングディレクター ジョセフ・ターナスキ氏が登壇し、11日に発表されたオンラインストア「Google Apps Marketplace」の概要を説明した。Google Apps Marketplaceでは、同社のアプリケーションスイート『Google Apps』との連携が可能なアプリケーションを取り扱う。開発者は、アプリケーションを開発し、手軽に販売を行うことが可能となる。
Webのイノベーションを加速させることがGoogleの使命
続いて登壇したGoogleのシニアエンジニアリングマネージャ及川氏は、Googleの提供するサービスの近況や今後の方向性について講演を行った。
講演の冒頭では、昨年開催された開発者向けイベント「Google Developers Day 2009 in Japan」以降に発表されたサービスの一覧が示された。大量のサービスを短期間にリリースし続けている理由について、及川氏は「我々は“スピード狂”というぐらい開発スピードにこだわっている。それは、開発者、ユーザーと協力して、Webのイノベーションを加速させていくことが我々の使命だと考えているからだ」と、来場した多くの開発者に語りかけた。
また、開発者とWebの関係性の変化についても言及。かつては、RSSのようなフィード、マッシュアップなど様々な技術要素が散在していたが、現在ではWeb自体が開発者にとってのプラットフォームになりつつある。このようにWebが開発プラットフォームになることによって、「『Webアプリケーション』と『クライアント(フロントエンド)』の2つの面でメリットがある」と及川氏は語る。
Webアプリケーションにおけるメリットは、Gooleが提供する「Google App Engine」のようなクラウドサービスを利用できる点。通常、トラフィックの量やピークのタイミングを見積もることは難しい。しかし、クラウドサービスを活用することで、開発・保守にかかるコストを最小限に抑えながら、必要に応じて順次リソース追加できる。実際、既にさまざまなサービスがApp Engineをバックボーンに利用しており、いくつかの事例が紹介された。
クライアント面でのメリットは、「浸透することで開発者が同じ技術で開発に臨める点にある」と及川氏は語る。今までWebアプリケーションは、操作性/表現力の面でローカルアプリケーションやRIAに劣っていたが、HTML5やCSS3の登場により、徐々に追いつき始めている。「しばらく経てばそのほとんどをWeb標準技術で表現できるようになるだろう。Googleでもそうした技術を提供していく」と及川氏が語るように、今後発表が予定されているWeb OS「Chrome OS」やWebブラウザ「Google Chrome」なども、Web標準に準拠して開発が進めてられている。
最後に及川氏は、「オープンなWebプラットフォームを提供し、クラウドやフロントエンドに使う事で、開発者と一緒にWebのイノベーションをさらに実現していきたい」と来場者に呼びかけ、セッションを閉じた。
基調講演ではその他にも、Google App Engine上でのアプリケーション開発方法を解説した日本語チュートリアルが開発者コミュニティと共同で作成・公開されたことが発表されるなど、技術以外での開発者との関わりについて、Googleのデベロッパー アドボケイト 石原氏が紹介した。