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続 Struts 2入門

Struts 2で手軽にJSONレスポンスを扱う「Struts 2 JSONプラグイン」

続・Struts2入門(9)

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JSONプラグインを利用したActionクラス

 Struts 2のActionクラスを使って、JSON形式のデータを利用する場面としては、AJAXを利用した非同期リクエストに対してデータのみをレスポンスするところです。では実際にActionクラスでの利用方法を見てみましょう。

[リスト1]JSONプラグインを利用したActionクラスの例
@Namespace("/json")
// パッケージ継承はjson-default
@ParentPackage("json-default")

// Actionクラスの結果。type=jsonでJSON形式
@Results({
  @Result(name="list" , type="json" ,
          params={"root","resultList" , "ignoreHierarchy","false"}),
})

public class SampleJSONAction extends ActionSupport {
  @Action("search")
  public String execute() throws Exception {
      // JSONで返す内容を作成する
      resultList = new ArrayList<String>();
      resultList.add("群馬");
      resultList.add("栃木");
      resultList.add("茨城");
      resultList.add("埼玉");
      resultList.add("東京");
      resultList.add("千葉");
      resultList.add("神奈川");
      resultList.add("山梨");
      resultList.add("長野");
      // @Resultで設定してあるresultを返す
      return "list";
  }

  private List<String> resultList;
  public void setResultList(List<String> resultList) {
      this.resultList = resultList;
  }

  public List<String> getResultList() {
      return resultList;
  }
}

 JSONプラグイン独自の設定は、@ParentPackage、ならびに@Resultの2か所になります。

  • @ParentPackageはjson-default(またはjson-defaultを継承したもの)
  • @Resultではtypeにjsonを指定する。Actionクラスから返す内容をparamsにて指定する

 次にparams内で指定できる設定内容を示します。

表1 JSONプラグインで指定可能なパラメータ
パラメータ名 内容
root Actionクラスから返すActionフィールド名
ignoreHierarchy falseを指定すると指定したオブジェクトの階層ごと全て出力する
excludeNullProperties trueを指定すると返す値にnullがあった場合取り除かれる
statusCode レスポンスコード
errorCode エラー用レスポンスコード。エラーハンドリングする際に利用する
contentType レスポンスタイプ。application/json以外の値を指定する場合に指定する
callbackParameter JSONP(※1)を利用する場合に指定する関数名

 この中で特に大切なのは、rootです。rootで指定したActionクラスのフィールドを指定します。指定しない場合には、Actionクラスのフィールドすべてを返すようになります。Actionクラスにて扱うフィールドにて、本来レスポンスに返したくないオブジェクトなどがある場合などに使います。

 JSONプラグインでは対象のフィールドのgetメソッドを検索し返そうと動くので、JSONプラグインを利用する際に注意すべきことがあります。Struts 2ではActionクラスにさまざまなオブジェクトをフィールドに持たせることができるため、JSONプラグインが無設定の場合には、本来画面側へ返す必要のないオブジェクトが返されてしまい、思わぬ誤動作や実行時エラーの原因となることがあります。特にデータベースコネクションを参照するオブジェクトがある場合は除外しておかないと、アプリケーションの誤動作を招きます。

※1

 JSONPとは、サーバからの戻り値にJavaScriptのコードを含めることで、あらかじめ用意したコールバック関数を呼び出すことのできる仕組みです。

次のページ
JSONを利用する画面

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 東 浩二(アズマ コウジ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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