はじめに
前回は、作成したVHDファイルをそのままVMロールとして動作させる方法を紹介しましたが、今回は差分ディスクを利用したVMロールについて説明していきます。
対象読者
- Windows Azureの新機能に興味のある方。
- Windows Azureのサブスクリプションを持っており、Azureを利用したことがある方。
必要な環境
- Windows Azureサブスクリプション
- Visual Studio 2010、もしくはVisual Web Developer 2010 Express
- Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio 2011.3以降(Windows Azure SDK 1.4含む)
- 英語版 Windows Server 2008 R2
- Hyper-Vが動作する環境
差分ディスクによるVMロール運用
VMロールのVHDファイルサイズは少なくても数GB以上あり、これを毎回アップロードするには大変です。VMロールも通常のHyper-Vと同じように差分ディスクを利用することができます。ただし、現在のVMロールがサポートするのは、マスタとなるディスクに対して直接の親‐子関係にある差分ディスクのみとなります。
図1は、差分ディスクの概念を表した図です。ベースとなるVHDファイルには、OSや必須ソフトウェアなどをインストールするために、ファイルサイズが大きくなります。差分ディスクは、ベースとの差分が格納されるため、比較的小さいファイルサイズです。ただし、運用によってパッチなどの数が累積することによってファイルサイズも増加することになります。
また通常のHyper-Vは、親‐子‐孫といった多階層構造をとることができますが、VMロールではサポートされていません。