Flashの成功の歴史
さて、本編はマーク・トウェインの格言「"The reports of my death are greatly exaggerated"(私が死んだという話は大げさな誇張である/1897年)」を引き合いにし、昨今におけるFlashの扱いについても同様のことが言えるのではないかという問いかけから始まります。確かに昨年あたりからFlashの未来について悲観的な意見が多いですね。それは果たしてそれは本当なのでしょうか?
時間を10年以上遡りましょう。Netscapeが最初にリリースされたのが1994年、Internet Explorerがリリースされたのは1995年でした(前身であるMosaicは1993年にリリース)。この2つのブラウザは「第一次ブラウザ戦争」とよばれる激しいシェア争いをしていました。パソコン雑誌の付録CD-ROMにNetscapeやInternet Explorerが同梱されていた時代を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
2つのブラウザが激しいシェア争いをしている中、Flash Playerがリリースされます。最初はシンプルなアニメーションを再生するソフトウェアでしたが(さらに遡るとSmart Sketchと呼ばれるお絵かきソフト)、次第にプログラミングに関する機能を強化し、よりインタラクティブな処理が可能になることで、単なるアニメーションソフトの枠を超えて利用されるようになっていきます。
そして、Flashは黄金時代を迎えます。
なぜFlashは成功したのでしょうか? 理由はいくつもあったのでしょうがピックアップすると、今までの技術に比べればはるかに簡単にリッチなコンテンツが作れましたし、それはOSやブラウザが違ってもだいたい同じように動作しました。さらにVideoも扱うことができました。
少し話がそれますが、このセッションのスピーカーのItaiさんと、所属されているDigitas社について簡単に紹介をしておきましょう。
Digitas社は世界19か国に32のオフィスを有する、オンライン広告代理店(デジタルマーケティングとも言う)です。最近ではNISSAN(ヨーロッパ)のSTAGE JUK3Dの制作に関わっています。
- STAGE JUK3Dのプロモーションビデオ(ぜひ見てください!)
- STAGE JUK3Dのサイト
Itai AsseoさんはそのDigitas社のクリエイティブ・アーキテクトで、1998年からFlashに関わっている、ある意味、Flashのオーソリティみたいな人です。過去に「Itai's Rcing Track」というレースゲームを作ったことがありました(※今でもプレイ可能です)。
車を操作する点は同じですが、JUK3Dと比べるとだいぶ違いますね。Flashがものすごく進化したことが分かります。また、私はこの記事の執筆とサイトの動作確認をMac OS X(Snow Leopard)とChromeで行っていますが、どちらのアプリもちゃんと動きます。過去に制作したコンテンツやアプリが、現行の環境でも問題なく動作することもFlashの良いところです。