PhoneGapウィザードを使用して目的の形式にコンバート
アプリケーションの用意ができたら、次にiOS向けのアプリにコンバートします。もちろん、作成したアプリは、iOS用のWebアプリとしてそのまま使用することもできますが、ネイティブアプリにコンバートしておくことで、AppStoreなどからダウンロードして使用させることもできるようになります。
PhoneGapウィザードを使用する前の準備
RadPHPがネイティブアプリへのコンバートに使用しているのは、PhoneGapと呼ばれるフレームワークです。RadPHPでは、PhoneGapウィザードが用意されていて、PhoneGapを簡単に扱えるようになっています。
さて、コンバートを行う前に1か所だけアプリに修正を加えます。
設計画面上の、コンポーネントが置かれていない場所をどこかクリックします。このユニットのUseAjaxUriプロパティは、現在、http://127.0.0.1:3571/unit.phpに設定されています。これをオブジェクトインスペクタを使って、RadPHP XE2が動作しているPCのIPアドレス(またはホスト名)に変更します。
変更が完了したら、[ファイル]-[上書き保存]を実行します。
PhoneGapウィザードを使用する
IDEのメニューから [ツール]-[Wizard for PhoneGap]を選択します。
PhoneGapウィザードが起動するので、対象のデバイスを選択します。
今回はターゲットをiOSとし、バージョン部分を5.0に設定し[次へ]のボタンをクリックします。
アプリケーション情報が表示されます。特に何も変更せず、[次へ]のボタンをクリックします。
次にiOS上で実行する際のアイコンや、スプラッシュを設定する画面が現れますが、ここでも何もせずに[次へ]のボタンをクリックします。
次の画面では、コンバートしたファイルを保存するフォルダを指定します。ここでは別途MobileDeployフォルダを作成し、このフォルダを指定して、[次へ]のボタンをクリックします。
コンバート作業が行われます。[完了]ボタンをクリックして、ウィザードを終了します。
ネイティブアプリへのコンバートも、このようにウィザードが用意されておりますので簡単に行うことができます。
コンバートしたコードをターゲット環境へ
今回はターゲットをiOSに設定しましたので、Mac OS X側にコンバートが完了したプロジェクト一式をコピーします。ここではUSBを使用してファイルをコピーするので、MobileDeployフォルダをzipで圧縮してUSBにコピーします。
WindowsとMacの両方からアクセスできる共用フォルダがある場合は、RadPHPで生成したファイルを共用フォルダ上に保存すると手間が省けます。
Mac上でコピーしたzipファイルを解凍し、解凍したフォルダ内にある "Project1.xcodeproj"をダブルクリックするとXcodeが起動します。
Xcode上で、開いたプロジェクトをそのままビルドして実行し、iOSシミュレータ上で動作を確認します。
あとは実際のiPhone側に作成したアプリを転送するだけです。
まとめ
今回は、非常に簡単なアプリを作成して、RadPHP XE2によるスマートフォンアプリの開発方法を紹介いたしました。ドラッグ&ドロップでモバイル向けに最適化されたWebアプリケーションを開発し、それをネイティブアプリにコンバートできるのは、早急にモバイル対応を必要としているケースでは大変有効です。
RadPHPでは、データベースアクセス機能やDelphiやC++などによって開発されたネイティブサーバーにアクセスすることもできます。これらの機能を組み合わせ、効率的にモバイル向けフロントエンドを開発すれば、対応デバイスの幅を飛躍的に拡大することができるでしょう。
モバイル向け開発の需要は日々高まっていますが、エンバカデロでは、今回紹介したRadPHPやDelphiでスマートフォン向け開発機能を提供することで、積極的なモバイルサポートの展開を開始しています。こうした情報は、「Delphi / RAD Studioでスマートフォン開発」を特集したページなどで案内しています。