Swiftによるアプリ開発
Swiftを使ってプログラムを行うために、最初の段階としてプロジェクトを作成します。作成したプロジェクト内では、自由にプログラムを行ってSwiftの機能を試すことが出来ます。本連載内のサンプルのプロジェクトは、すべてここで説明する手順で作成します。
プロジェクトを作成する
プロジェクトの作成手順は、Objective-Cと同様です。Xcodeの[File]―[New]―[Project]の手順でUIに従ってプロジェクトを新規で作成します。プロジェクトのテンプレート選択後に、次のようにメインの言語をSwift/Objective-Cから選択できます。ここでSwiftを選択し、プロジェクトを作成します。
サンプルでは、テンプレートをSingle View Application、メイン言語をSwiftとしてプロジェクトを作成しています。
自動生成されるファイル群
プロジェクトを作成すると、次のようにフォルダ内にファイルが自動生成されます。
生成されたファイルのうち、アプリ開発に利用するのは次のファイルです。
名前 | 役割 | Objective-Cで相当するファイル |
---|---|---|
AppDelegate.swift | アプリを管理する最上位のクラス | AppDelegate.h/m |
ViewController.swift | 画面を構成するクラス | ViewController.h/m |
Objective-Cの場合は、「.h」ファイル/「.m」ファイルのペアでプログラムファイルは生成されます。これに対してSwiftは、「.swift」ファイルの1ファイルが生成され、シンプルなファイル構成になっています。
また、Objective-Cのプロジェクトに存在したアプリを起動するための「main.h」というファイルは、Swiftでは「AppDelegate.swift」に統合されています。
Swiftを自由に試せるようにプロジェクトを変更する
プロジェクトを作成した段階では、Storyboardを利用するように設定されています。Storyboardを利用したままだと、Xcodeのツールに縛られることが多いです。比較的自由に任意のコーディングを試せるように、Storyboardを利用しないようにプロジェクトの設定を変更します。
XcodeのプロジェクトナビゲーターからTARGETS以下のプロジェクト名を選択し、設定項目の中央付近の「Main」と入力されているMain Interfaceを空欄にします。
次に、アプリ起動時にビューコントローラーを呼び出す記述を行います。「AppDelegate.swift」内のアプリ起動後の処理を行う-application:didFinishLaunchingWithOptions:メソッドの内部に次のように記述します。
func application(application: UIApplication, didFinishLaunchingWithOptions launchOptions: [NSObject: AnyObject]?) -> Bool { // Override point for customization after application launch. // ウィンドウのサイズを指定 self.window = UIWindow(frame: UIScreen.mainScreen().bounds) // ViewControllerを初期化 let viewController = ViewController(nibName : nil, bundle : nil) // ルートビューコントローラーを指定 self.window!.rootViewController = viewController // ビューコントローラーの背景色を指定 self.window!.backgroundColor = UIColor.whiteColor() // windowを表示 self.window!.makeKeyAndVisible() return true }
「AppDelegate.swift」とビューコントローラーに関しては連載第2回以降で説明する予定です。Swiftのプログラムを試す場合、「ViewController.swift」内のviewDidLoad()メソッドに記述していくと分かり易いです。
ここまでは、Swiftを試すためのプロジェクト作成について説明しました。以降では、Swiftの具体的な構文の説明に入ります。