パネルディスカッション:UIデザイナーの役割・権限・求められる人材とは?
UI Crunch #2の後半には、前半に登壇した4名のスピーカーに、DeNA デザイン戦略室室長でUIデザイナーの坪田 朋氏を加えた5名のパネラーによるパネルディスカッションが行われた。テーマは引き続き「UIデザイナー不要説」。モデレータはグッドパッチ CEOの土屋尚史氏が務め、UIデザイナーの役割、権限、求められる人材などに関して活発に議論が交わされた。また、事前に会場から集めた質問による質疑応答が行われた。
土屋 ► 皆さんの会社に在籍するUIデザイナーの人数、業務を教えてください。
坪田 ► DeNAでは200人のクリエイターがいて、そのうち、UIデザイン専任は20~30人くらいです。アプリやゲームの開発では、UIの設計を考えてプロトタイプを回す、ディレクションまで行うという位置付けになり、グラフィッカーとペアでUIデザインを作成します。
上谷 ► nanapiはデザイナーが6名です。UIという言葉は意識していません。プロトタイピングはエンジニアが担当します。
Kawakami ► 会社には50人くらいデザイナーがいますが、UIデザイナーは10人くらいです。
吉田 ► トレタではUIデザイナーは1人です。アプリのUIデザイン、グラフィックス、少しですがプログラミングも行います。Webデザインは外注します。
藤川 ► BASEではデザイナーが3人。UIデザイン担当は1人ですが、もう1人増える予定です。各人の得意分野に合わせて仕事をします。たとえば、開発者出身のデザイナーは、デザイン、UI設計、マークアップまでを行います。
デザインを決定する権限は誰の手に?
土屋 ► 皆さんの会社のUIデザイナーには、どの程度の権限や役割が与えられていますか?
坪田 ► UIデザイナーという役割は、サービスの開発に責任を持つ人が担うべきだと思います。自分はサービス開発でプロダクトオーナーとして意思決定権を持ち、UIを作ったことがあります。そのほうが周囲と協力しながら良いものを作れるので、そのスタイルを取るようにしています。
上谷 ► nanapiでは新規開発に力を入れており、デザイナーとエンジニアのみでチームを構成しています。デザイナーを含むチームメンバーは、責任として全員KPIを持ちます。その中で、デザイナーはドキュメント作成やUIデザインをしながら、チームを回してファシリテーションを行うなど、権限はかなり委譲されています。新規開発ではスピードが重要なので、意思決定に関してもKPIを達成するための変更なら承認は不要です。
Kawakami ► デザイナーの権限は弱いです。以前は、UIデザインの工程がなく、デザイン経験のないディレクターなどがワイヤーフレームを作り、それをエンジニアが組み込むというやり方でした。最近は徐々に改善され、自分がワイヤーフレームを書いたりしています。
吉田 ► 最終的な意思決定は、プロダクトオーナーを兼ねる弊社の代表が行います。デザイナーが最初に画面イメージと操作仕様を作り、エンジニアと話をしながら開発しますが、その後、弊社の代表から差し戻されることもあります。
これには、弊社ならではの事情があります。弊社は飲食店向けのシステムを開発していますが、弊社の代表は飲食店での現場経験があり、社内で最もユーザの立場に近い視点を持っているためです。ただし、意思決定者は代表ですが、デザインが決まらないと開発が始まらないので、デザインは重要と考えています。
藤川 ► 弊社では代表がクリエイティブディレクターという立ち位置で最終的な意思決定を行い、品質を担保しています。また、仕様ではなくデザインマターで機能を開発します。使いやすさや楽しさが先になければ機能を追加しても意味がないという考え方です。
社員は各役割に関して権限が与えられています。最も重要なのは「この機能はお母さんが使うか」というフィロソフィーで、複雑で難しすぎる機能はリリースできない決まりになっています。
