Logplexの制限
Logplexが行うのはログの収集のみで、View(ログ表示機能)もStorage(ログ保存機能)も持っていません。持っているのはわずか1,500行分のバッファのみです。1,500行を超えて収集されたログは端から消えていきます。
イメージ的には、いくつもの小川が1つの川に収束して、滝となって流れ落ちているような感じです。このため、過去のログを見るためには、流れ落ちる滝の先に何らかの受け口を用意する必要があります。それが「ログAdd-on」です。
逆の言い方をすれば、Logplexは自身の機能をログ集約だけに制限することによって、ログの表示や保存を担当する機能をユーザが自分の好きなものを選択できるようになっています。
ログAdd-onを入れない場合、CLIコマンド(heroku logs)で直近のログ(最大1,500行)が見られるだけです。これはHerokuの中の人も同じことで、ログAdd-onのない状態でサポートにヘルプを求めても、彼らにも問題の原因を探す手掛かりがありません。必ずログAdd-onを入れるように指導されます。
ログAdd-onの種類
2015年5月現在、HerokuのAdd-on一覧のページを開くと、
という3つがリストされています。
これらのうち「FlyData」は、Amazon Redshift[3]と連携してBigData解析を行う際に、データ投入の入り口として使用するAdd-onです。ビュー機能を持たないなど、今回紹介したいログ関連機能とはやや毛色が異なるので、以降の評価対象からは外します。
筆者は2012年8月ごろに業務で使用するログAdd-onを選定するために、HerokuのログAdd-onの比較を行ったことがありました[4]。そのときには、まだβ版でしたが「Papertrail」が一番使い勝手がよいという結論に至りました。それ以降、特に不満もなく現在に至るまでPapertrailを愛用しています。ただ良い機会なので、今回は「Logentries」についても再評価してみたいと思います。