Angular 2のイベント定義
データバインディングの一種として、画面上のボタンが押された時などのイベントを定義できます。Angular 2でコントロールにイベントを定義するにはリスト5のように記述します。
<!-- (click)属性でクリックイベントを定義 --> <button (click)="onClickButton()">ボタン1</button> <button (click)="onClickButtonWithEvent($event)">ボタン2</button> <button (click)="onClickButtonWithEvent($event)">ボタン3</button>
「(click)」のように、イベント名をカッコで囲んだ属性に、イベントを処理するメソッドを記述します。1行目のように引数なしの記述と、2〜3行目のようにイベントオブジェクト$eventを指定する記述ができます。
メソッドの記述はAppComponentコンポーネントの定義内にリスト6のように行います。
export class AppComponent { /** * イベント引数なしのハンドラ ...(1) */ onClickButton() { alert("ボタンが押されました"); } /** * イベント引数ありのハンドラ ...(2) */ onClickButtonWithEvent(event:any) { // targetプロパティでイベントを発生させたオブジェクトを取得 ...(3) var button = event.target; // ボタンのラベルをtextContentプロパティから取得して表示 ...(4) alert("ボタン「" + button.textContent + "」が押されました"); } }
(1)はイベント引数なしの場合の処理です。ここではalertメソッドで固定のメッセージを表示しています。一方、(2)はイベント引数ありの場合の処理です。(3)でevent.targetプロパティからオブジェクト(ここではボタン)を取得し、ボタンオブジェクトから(4)でtextContentプロパティ(ボタンの文言)をalertメソッドで表示しています。
リスト5、6を実行してボタン1を押すとリスト6(1)の処理、ボタン2とボタン3を押すとリスト6(2)の処理で、それぞれメッセージが表示されます。ボタン2とボタン3の場合、押されたボタンの文言がメッセージに反映されます。
AngularJS 1でのリスト6と等価な記述はリスト7のようになります。(click)の代わりにng-click属性で記述します。
<!-- ng-click属性でクリックイベントを定義 --> <button ng-click="onClickButton()">ボタン1</button> <button ng-click="onClickButtonWithEvent($event)">ボタン2</button> <button ng-click="onClickButtonWithEvent($event)">ボタン3</button>