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クラウドネイティブ時代のデベロッパー生存戦略

あらゆる層を押さえられるとすごいクラウドエンジニアになれる――Azure MVP浅見城輝さんが考えるクラウドの学び方

クラウドネイティブ時代のデベロッパー生存戦略 第2回(後編)

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 情シスやDBコンサルタント、フリーランスを経て、現在は株式会社pnop 代表取締役としてAzure導入のコンサルティングを行う浅見城輝さんへのインタビュー。後編では、全くの初心者がクラウドを学ぶ際の、浅見さんオススメの勉強法や注意点、他に学んでおくべきこと、そしてエンジニアとしての目標の持ち方について聞いた。

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これからクラウドを学ぶ方はベンダのトレーニングがオススメ

株式会社pnop 代表取締役 浅見城輝さん

株式会社pnop 代表取締役 浅見城輝さん

 ネットワーク機器メーカーでの情シス、DB管理パッケージベンダでのコンサルタント、フリーランスを経て、現在は株式会社pnop 代表取締役/Cloudlive株式会社 代表取締役としてMicrosoft Azureと戯れる日々。

 元々はUNIX/Linuxの領域からかつてはアンチだったMicrosoftの世界へ転換。

 Japan Azure User Group コアメンバー、Microsoft MVP for Microsoft Azure

 NO BEER, NO LIFE!

吉羽 クラウドの学び方についてお聞きしたいと思います。AWSもAzureもどちらも知らない初心者の方は、クラウドをどうやって勉強していけばいいでしょうか?

浅見 まず、ベンダの講習に行くのがオススメです。その後は、兎にも角にも触ってみることですね。自分で触ってみることはもちろん重要なのですが、初心者にとっては最初の一歩が難しいと思うんですよ。最初に何をしたらいいか分からない場合、ベンダの講習を受けるのが効率的な方法だと思います。正直なところ、これからクラウドを始める人にとって、最初に本で学ぶのはおすすめしないです。

吉羽 それはなぜなのでしょうか。最初の一歩は本じゃ分かりにくいから? 移り変わりが速すぎるから?

浅見 はい。移り変わりが速くて、例えば画面もすぐに変わってしまいます。最初の一歩では、そういった画面の変更が、大きな障壁になりますよね。すでに始めている人が見る分には、いい本がいっぱいあると思うんですけどね。

吉羽 そういう意味でAzureのいい点は、AWSと比較しても、ポータルの作りに一貫性がありますよね。どの機能を触っても動きが同じ。あれはもう、Azureの圧勝という感じがします。

浅見 確かに、AWSは全体が見えないと思うんですよ。知っている人にとっては分かるかもしれないけど、自分のような、普段はAzureをメインで触っている人間がAWSを触ると「あのサービスはどこだっけ」「あれ、全部消しちゃった?」と戸惑うことが多いですね。

吉羽 マイクロソフトは、OSに始まり、Excel、WordなどのOffice製品なども、ユーザビリティの一貫性にこだわりがありますよね。そういう意味だとAzureのポータルは分かりやすい。

 とは言え、変化が激しく、本で学ぶのも難しいとなると、ベンダのトレーニングが有効ということですね。トレーニングには無償のものも結構ありますよね。

浅見 はい、Azureは無償のトレーニングが多く、私もトレーナーとしてお手伝いさせてもらっています。

吉羽 AWSにも、これからAWS利用する人向けのトレーニングがありますよね。そういう講座にサクッと行って実際に触らせてもらうといいですね。たとえば、こちらのページを見ると無償のハンズオントレーニングもあるのがわかります。他にもオンラインのトレーニングで一部無償のものも見つかります。もちろん有償のコースも初級者向けから上級者向けまで揃ってますね。

浅見 Webの情報もどんどん陳腐化してしまうし、どれが正解なのかを理解することは、初心者には難しいと思うんですよ。Webも本も、古くなった情報が消えていってくれないので。

吉羽 クラウドの情報についてGoogleで検索すると、例えば2011年頃の状況がヒットして、その記事ではできないと書いてあったとしても、今だと実現できるのに……と思うことがよくあります。そういう意味でも情報のノイズは多いですね。

浅見 そう、Webにある情報は8~9割がノイズなんですよ。最新の、正しい情報は、その中の1~2割じゃないかと思います。一つの記事の中でも、一部は合っているけど一部はもう古い、ということが多い。

吉羽 特に公式の情報でなければそうなりがちですよね。何はともあれ、公式が出しているドキュメントに当たるのがよいと。

浅見 最初はトレーニングに出て、その後は新しめの本、例えばAzureだったら「Microsoft Azure 自習書」呼ばれる公式ガイドブックが出ているので、参考になると思います。

 ただ、それですらどんどん古くなってきてるので、なるべく新しいものを見ることが大事ですね。Azureのドキュメントにも、日本語のものが多くなってきました。最新の情報は、基本的には公式サイトやブログに書かれているのですが、これは英語の方が情報が早いこともあり、慣れないと少し辛いですね。

 あと、Azureのビデオのコンテンツもありますよ。Microsoft Virtual Academyというサイトでは、初心者向けのビデオ講座もあって、それに取り組んでいくと結構分かるんじゃないかなと思います。併せてトレーニングにも出て、分からないところを聞くのがいいと思いますね。

吉羽 そうですよね。触ってみて初めて疑問点も浮かびますし。

浅見 もちろんWebメディアやブログ記事が全部ダメだと言っているわけではないです。例えばデザインパターンは、別に古くなっていくわけではないから、それは本や、もちろんWebでもいいと思います。

吉羽 取捨選択は初心者じゃできないというところがポイントですね。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

吉羽 龍太郎(Ryuzee.com)(ヨシバ リュウタロウ)

 クラウドコンピューティング、DevOps、インフラ構築自動化、アジャイル開発、組織改革を中心にオンサイトでのコンサルティングとトレーニングを提供。 認定スクラムプロフェショナル(CSP) / 認定スクラムマスター(CSM) / 認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)。Developers Summit 2016ベストスピーカー(1位)。 著書に『Amazon Web Services企業導入ガイド』(マイナビ)、...

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