オープンソースの採用、すべての開発者に貢献できる技術を提供
個人の変化を促すだけではない。「マイクロソフト自体も大きく変わってきている」とドリュー氏は語る。これまでマイクロソフトの技術はWindowsのデバイスに限られていたが、今は、MacやLinux上でも動いたり、iPhoneやAndroid向けのアプリケーションの開発もできるように変わっている。「すべての開発者に貢献できる技術の開発にチャレンジする方向へと変わった」とドリュー氏はいう。
その変化の具体的な一例として井上氏が挙げたのが「Visual Studio Code」である。これはクロスプラットフォームなテキストエディターで、Windowsはもちろん「LinuxやMacでも稼働する」と井上氏は説明する。開発言語もC#はもちろんPHP、Python、Rubyなど、さまざまな言語が使える。また、このツール自体がオープンソースとなっており、「リポジトリはGitHub上で公開されている」と井上氏。もう一つの例として井上氏が紹介したのが、「.NET Core 1.0」だ。「これもオープンソースで、Windowsはもちろん、LinuxやMacでも稼働できる」と井上氏。このようにマイクロソフトはオープンソースをプロダクトに取り入れることに加え、「オープンソースにも貢献していく」と井上氏は力強く語る。Windows 10もAnniversary Updateにより、Windows上にUbuntuのサブシステムが載り、Bashが使えるようになったという。
この変化の証明として、デモではWindowsではない環境でVisual Studio Codeを動かし、Microsoft Cognitive ServicesのComputer Vision APIを活用して、写真から年齢を推測したり、どういう写真なのかテキスト情報(キャプション)を作成させたりというアプリを作成し、披露した。
「今はエンジニアの皆さんが変わるタイミング。より創造的なモノを生み出すためにも、日本人だけという状況から脱却し、いろんな国の方と一緒に仕事をしていくことにチャレンジして欲しい。そうすることで、きっと世界を変えていける」と井上氏は参加者に訴えかけ、セッションを締めた。