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現役エンジニア直伝! 「現場」で使えるコンポーネント活用術(SPREAD)

罫線とセルの塗りつぶし機能を持つ表計算ソフトを作る

SPREAD for .NET 2.5J Windows Forms Editionで書式を設定する

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1行おきに背景色を設定する

 最初は背景色を変えてみましょう。FpSpreadコンポーネントは、デフォルトではセルはすべて白色の背景色になっています。そこで、フォーム起動時に、シートを1行おきに薄いピンク色になるように設定します。

デフォルトではセルはすべて白色の背景色
デフォルトではセルはすべて白色の背景色
1行おきに薄いピンク色に
1行おきに薄いピンク色に

 まず、シートが全部で何行あるのかを把握します。デフォルトでは500行になっていますが、ここではRowCountプロパティを使って行数を把握します。そして、Forステートメントで1行おきになるようにRowsプロパティの引数に行番号を指定してRowsオブジェクトを取得し、BackColorプロパティを変更します。これで、縞々シートが出来上がります。

Visual Basic
Private Sub Form1_Load(ByVal sender As System.Object, _
                      ByVal e As System.EventArgs) Handles MyBase.Load
    Dim i As Integer
    For i = 0 To Me.FpSpread1.ActiveSheet.RowCount - 1 Step 2
        Me.FpSpread1.ActiveSheet.Rows(i).BackColor = Color.MistyRose
    Next
End Sub
C#
private void Form1_Load(object sender, EventArgs e)
{
   int i;
   for (i=0; i<=fpSpread1.ActiveSheet.RowCount-1;i+=2)
   {
       fpSpread1.ActiveSheet.Rows[i].BackColor = Color.MistyRose;
   }
}

選択したセルの背景色を設定する

 今度は、ユーザーが選択したセル範囲の背景色を塗りつぶす機能を組み込みます。ポイントは、選択したセル範囲の把握方法です。

選択セル範囲の把握

 選択されたセル範囲の把握にはいくつかの方法がありますが、セルの選択内容に応じた把握方法を考えなくてはいけません。つまり、連続したセル範囲の把握なのか、1行おきなど飛び飛びにセル範囲が選択されているのかによって、、範囲の把握方法が違ってくるからです。

 これに関しては、FpSpreadコンポーネントがどのような範囲選択をユーザーに許可しているのかによって変わります。デフォルトでは、連続して(矩形で)セル範囲を選択できるようになっており、飛び飛びでのセル範囲選択はできないようになっています。

 そこで、ここでは連続して(矩形で)セル範囲が選択された場合の処理を作成します。矩形での選択の場合は、まず範囲の開始セルの行列番号と、範囲の最後のセルの行列番号を求め、その範囲のセルをオブジェクトとして把握します。

 範囲の開始セルの行番号の取得は、SheetViewオブジェクトのModelsプロパティでDocumentModelsオブジェクトを取得し、Selectionプロパティで選択範囲を取得し、AnchorRowプロパティで選択範囲の先頭のセルの行インデックスを取得します。

 列番号は、同じくAnchorColumnプロパティで取得します。これらは、それぞれ変数に格納します。

Dim Startrowno, Endrowno As Integer
Dim Startcolno, Endcolno As Integer

Startrowno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorRow
Startcolno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorColumn

 範囲の最後のセルの行列番号の取得は、同じオブジェクトのLeadRow、LeadColumnプロパティを参照します。

Endrowno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadRow
Endcolno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadColumn

 そして、それぞれの行列番号をSheetViewオブジェクトのCellsプロパティの引数に指定すると、そのセル範囲をCellsオブジェクトとして取得することができるので、後はBackColorプロパティを設定すれば、そのセル範囲を塗りつぶすことができます。

Me.FpSpread1.ActiveSheet.Cells(Startrowno, _
                               Startcolno, _
                               Endrowno, _
                               Endcolno).BackColor = setcolor

 これらのコードを、ToolStripコントロールの背景色設定ToolStripMenuItemのClickイベントハンドラに作成します。

Visual Basic
Public Bordercolor As Color = Color.Blue
Public setcolor As Color = Color.Blue

Private Sub 背景色設定ToolStripMenuItem_Click(ByVal sender _
            As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) _
                Handles 背景色設定ToolStripMenuItem.Click
    Dim Startrowno, Endrowno As Integer
    Dim Startcolno, Endcolno As Integer

    Startrowno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorRow
    Startcolno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorColumn

    Endrowno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadRow
    Endcolno = Me.FpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadColumn

    Me.FpSpread1.ActiveSheet.Cells(Startrowno, Startcolno, Endrowno, _
                                   Endcolno).BackColor = setcolor
End Sub
C#
private void 背景色設定ToolStripMenuItem_Click(object sender, 
                                               EventArgs e)
{
    int Startrowno, Endrowno;
    int Startcolno, Endcolno;

    Startrowno = fpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorRow;
    Startcolno = fpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.AnchorColumn;

    Endrowno = fpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadRow;
    Endcolno = fpSpread1.ActiveSheet.Models.Selection.LeadColumn;

    fpSpread1.ActiveSheet.Cells[Startrowno, 
                                Startcolno, 
                                Endrowno, 
                                Endcolno].BackColor = setcolor;
}

背景色の変更操作

  背景色の変更は、ToolStripコントロールの背景色設定ToolStripMenuItem_Clickイベントハンドラに作成します。この処理は、色の選択ダイアログボックスを表示し、ユーザーが選んだ色を変数setcolorに格納するだけです。

Visual Basic
Private Sub 背景色ToolStripMenuItem_Click(ByVal sender _
        As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) _
           Handles 背景色ToolStripMenuItem.Click
    Dim ret As Integer

    ret = Me.ColorDialog1.ShowDialog()
    If ret = DialogResult.OK Then
        setcolor = Me.ColorDialog1.Color
    End If
End Sub
C#
private void 背景色ToolStripMenuItem_Click(object sender, EventArgs e)
{
    DialogResult ret;
    ret = ColorDialog1.ShowDialog();
    if(ret == DialogResult.OK)
    {
        setcolor = ColorDialog1.Color;
    }
}

塗りつぶした色を元に戻す処理

 一度塗りつぶしたものを取りやめて、元に戻すような機能も必要です。これは、選択した範囲を操作対象に、CellsオブジェクトのResetBackColorメソッドを実行するだけです。

 選択されたセル範囲の取得は、背景色の設定と同じコードです。

Visual Basic
Me.FpSpread1.ActiveSheet.Cells(Startrowno, _
                               Startcolno, _
                               Endrowno, _
                               Endcolno).ResetBackColor()
C#
fpSpread1.ActiveSheet.Cells[Startrowno, 
                            Startcolno, 
                            Endrowno, 
                            Endcolno].ResetBackColor();

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選択したセルに罫線を設定する

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この記事の著者

瀬戸 遥(セト ハルカ)

8ビットコンピュータの時代からBASICを使い、C言語を独習で学びWindows 3.1のフリーソフトを作成、NiftyServeのフォーラムなどで配布。Excel VBAとVisual Basic関連の解説書を中心に現在まで40冊以上の書籍を出版。近著に、「ExcelユーザーのためのAccess再...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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