Spring Cloud Stream 2.0、2.1の新機能も紹介
Spring Cloud Streamのプロジェクトリーダーである Oleg ZhurakouskyさんのセッションではSpring Cloud Stream 2.0の新機能、および2.1の開発中機能の紹介がありました。
Spring Cloud Streamはマイクロサービス間の連携においてイベントドリブン方式をよりライトに書くことができるフレームワークです。2016年にバージョン1.0がリリースされ、2018年5月9日に2.0がリリースされています。
Spring Cloud StreamにはBinderという概念が導入されており、アプリケーションレイヤーでミドルウェアを意識せずに実装できます。利用可能なBinderは、1.0リリース時からプロジェクトが公式に提供しているKafka binderとRabbitMQ binderに加えて、コミュニティが開発・提供しているAWS Kinesis、GCP Pub/Sub、Azure Event Hubと徐々に増加しており、注目を集めています。
Olegさんはバージョン2.0で導入した新機能の中から代表的なものとして、Spring Boot Actuator連携を紹介しました。この機能によってBinderのコンフィグ情報をActuatorのエンドポイントからすべて取得することができ、トラブルシューティングの際に高い効果を発揮します。
今後リリース予定のバージョン2.1に関しては、Spring Cloud Functionを活用したプログラミングモデルが紹介されました。アプリケーションコンテキストにjava.util.function.FunctionをBeanとして登録しておくことによって、定義されたFunctionをミドルウェアからのメッセージを契機として呼び出すことができます。そして、それらの複数のFunctionを組み合わせることで複雑なパイプラインを定義できます。デモでは、まさにLinuxのパイプラインのような記述で複数のFunctionを順番に呼び出していました。この機能はリアクティブモデルで書かれたFunctionにも対応しています。「これによって開発者のコード記述量がさらに減少し、ビジネスロジックの開発に集中できるようになる」とOlegさんは主張していました。
イベントドリブンなマイクロサービスに関心がある読者はSpring Cloud Streamの動向に要注目です。
Pivotal Cloud Foundryの改善点と新機能
PivotalのCloud R&D部門副社長のOnsi Fakhouriさんがカンファレンス初日に登壇し、開発現場で生じるComplexityに着目しながらPivotal Cloud Foundry(以下、PCF) 2.3の新機能について紹介してくれました。その内の一部を以下で紹介します。
PCF HealthwatchはPCFの運用チームに活用されてきた監視ツールですが、Pivotalのデザイナーが利用者を対象にユーザー調査を実施したところ、現行のツールは複数のPCFを監視するには複雑だというフィードバックを得ました。そのためPCF Healthwatch 1.4ではダッシュボード画面のUIを全面的に変更し、複数の基盤の監視がさらに容易になると述べています。
また、Cloud Foundryの分散システム管理ツールであるBOSH上でKubernetesを構築できるPivotal Container Service(PKS)はKubernetes 1.11のサポートとPKSのAWSサポートが発表されました。このサポートによりPKSはAWS、GCP、vSphereの3種類のIaaSが選択可能となりました。
Onsiさんの講演の最後にはProject Maestroという名前で現在開発中のロードマップ管理ツールが紹介されました。Pivotalはこれまでアジャイルプロジェクト(バックログ)管理ツールであるPivotal Trackerを提供してきましたが、現在開発中のProject Maestroは、ビジネス要件を管理するためのツールとなっています。新ツールのUIは、従来プロジェクトで利用される期限とスコープを表すガントチャートではなく、ビジネスニーズと得られる効果志向のUIになっているそうです。
本記事で紹介しきれなかったPCF 2.3の新機能についてはPivotalのブログ でも紹介されているのでぜひご覧ください。
