その他、コミュニティイベント
ここまでに書いたような内容は、主にJavaの開発者に向けた情報と言えます。一方、Code One には、開発者以外の様々な役割の人々による発表があります。例えば、Javaに関わる障害・ログの解析などがそうです。障害解析では、このたびオープンソース化されたFlight Recorder/Mission Control(RF/MC)のセッション(DEV4509)や、GCログを統計言語Rで解析するセッション(DEV4451)などがありました。なお、恥ずかしながら筆者の一人も障害解析を支援する技術に絡んだ発表をさせていただきました(BOF5952)。
また、世界のJavaコミュニティのメンバーが一堂に会するCode Oneならではの光景もあります。先ほども書きました『Duke's Choice Award』の授賞式には、各国のJavaコミュニティの有名どころが集まり賑わいを見せます。今年は日本からは山本裕介氏のTwitter4Jが受賞しました(なお、僭越ながら筆者の一人も関わるHeapStatsも2016年に受賞しています)。
今年のDuke's Choice Award受賞者(Oracle Blogより)
日程の最後に行われるキーノートは、ここ数年恒例となった各国コミュニティメンバーとOracle社員による寸劇も披露され、Javaユーザーならではのジョークを交えて盛り上げりを見せていました。
終わりに
Code One(JavaOne)が今年で23年目を迎えたことからもお分かりのとおり、Javaは古い歴史のある言語といってよいでしょう。流行り廃りの多いこの世界で、これだけ長く、また多く使われてきた言語は数少ないと思います。筆者はその理由を、ユーザー企業を含むコミュニティとともに仕様を作り上げるなかで、企業などのビジネスニーズを的確につかみ、それらの実装を安定した技術的基盤の上に確立してきた歴史が、多くの支持を得てきたためと考えています。例えば、一ユーザー企業である米国Goldman Sacks社は、Java仕様を決めるJCPにも参加し、今回のCode Oneでも発表をするなど活発に参加をしています。
米国Goldman Sacks社の発表(DEV6082)と発表者のJackie Haynes氏
一方で今まで、Javaのメジャーバージョン更新の間隔が長かったことからもおわかりのように、Java自身は変化の最先端を行く言語ではありませんでした。しかし、Javaのリリースサイクルが変更されたことは、今後の変化が加速してゆく可能性を伺わせます。
今回Code Oneに参加し、Javaの変化の大きさとともに、Javaエンジニアやユーザーたちの変わらぬ関心の高さも改めて感じました。Javaはこれからも変化を続け、いずれJavaという言葉の印象が薄まっていくほど変わる可能性もあります。しかし、Javaを動かす技術と、それを取り巻く技術者およびユーザーのエコシステムへの信頼と支持は、変わらず続いてゆく予感がいたします。そういうわけで、引き続きJavaの技術とコミュニティを注視してゆくことをおすすめし、今回のレポートを終えたいと思います。
