
解析基盤が抱えていた課題を解決するため、環境を刷新
「みてね」では、「いい感じ」のダイジェスト動画を自動生成する「1秒動画」や、1カ月分の画像から「いい感じ」のフォトブックをつくる「自動提案フォトブック」などの機能を提供している。
これらの機能では、ユーザーが画像・動画ファイルをアップロードすると即座に顔検出や人物検出、BGM検出などの解析処理がなされる。「みてね」に保存されるすべてのメディアは、解析基盤を通過しているのだ。その数、なんと1カ月あたり7000万件以上。膨大な数のメディアは、かつて下図のような解析基盤によって処理されていた。

徐々にこのアーキテクチャの課題が見えてきた
「旧メディア解析基盤にはいくつか課題がありました。まず、一部の解析項目をアプリサーバー側で処理していたため、メディア数が増えるとデータベースやredisへの負荷がかなり高くなってしまうこと。解析処理が原因で障害が起きることも少なくありませんでした。
また、解析基盤をやや保守的なインフラ構成にしていたため、運用コストも高かったです。そこで、解析基盤の新しいアーキテクチャを考えることにしました」(松石氏)
新しい解析基盤を検討するにあたり、いくつかの設計方針が立てられた。高負荷による障害を起こさないように、アプリサーバーから解析処理を切り離すこと。オペレーションコストを削減するため、コンテナ化してマネージドサービスを利用すること。そして、現在の基盤から漸進的に移行していくことだ。これらの方針のもと、リプレースプロジェクトが推進された。