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多機能なアプリの設計をシンプルに保つ手法とは? Eight iOSを支えるアーキテクチャ【Developers Boost KANSAI】

Eight iOSを支えるアーキテクチャ

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2019/07/02 12:00

 「どんなアーキテクチャを選ぶか」は、アプリの開発効率や信頼性を左右する重要な要素だ。適切な設計パターンを選択すれば、各コンポーネントが持つ役割は明確になり、再利用性も高くなる。iOS版「Eight」では、コードをシンプルに保つために数々のアーキテクチャの工夫がなされている。6月15日に開催された、若手エンジニア向けカンファレンス「Developers Boost KANSAI(デブスト関西)~U30エンジニアの登竜門~」では、そんな多くのユーザーに愛される名刺アプリの設計ノウハウについて、Sansan株式会社 Eight事業部の河辺雅史氏が解説した。

目次

複雑な問題を単純な問題の群として切り分ける

Sansan株式会社 Eight事業部 河辺雅史氏
Sansan株式会社 Eight事業部 河辺雅史氏

 「Eight」は、取り込んだ名刺の情報からビジネスネットワークを構築できる個人向け名刺アプリだ。名刺撮影や連絡先の管理、知り合いの最新情報を把握できるフィード、アプリをさらに便利に利用できる有料サービス「Eightプレミアム」など、多くの機能を持つ。そのため、画面に表示すべき“状態”の種類も多い。アプリ開発において、複雑な状態をうまく管理するには設計が重要である。

 「本発表では、設計を『関心の分離によって、複雑な問題を単純な問題の群として切り分けること』と定義します。『Eight』の一機能である『フォローしているアカウントの一覧画面』を例に、関心の分離について説明します」(河辺氏)

 この画面では、サーバーからフォローしているアカウントのリストを取得し、人物情報を扱うEntityにParseして、取得した情報をキャッシュに保存してからViewに表示する。このままでは問題が複雑であるため、コードも複雑になりかねない。そこで、この機能における関心ごとを整理すると、下図のように4つに分割できる。

 これはつまり、適切な設計を行うことで、複雑だった問題を単純な問題に切り分けられたということだ。

 設計をする際に役立つのが設計パターン(デザインパターン)だ。設計パターンを知ることで、再利用性の高い柔軟な設計ができ、かつ開発者同士の意思疎通が容易になる。iOS版の「Eight」ではMVVMパターンを採用している。これは、非同期処理を抽象化するために用いられているRxSwiftのbinding機構を、最大限に生かせるためだ。

 MVVMパターンでは「View(ViewController)」「ViewModel」「Model」の3つが相互にやりとりをして処理を行う。各層の関心ごとをまとめると、以下の通りとなる。

View

すべきこと
  • UIを定義する
  • ViewModelにUIEventsを伝える
  • ViewModelから受け取ったデータを反映する
すべきでないこと
  • プレゼンテーションロジックを定義する
  • 通信やデータ操作を行う

ViewModel

すべきこと
  • UIEventsを監視し、Modelに処理を依頼する
  • Modelから受け取ったデータをViewで利用するのに最適な形に加工する
すべきでないこと
  • UIを定義する
  • 通信やデータ操作を行う

Model

すべきこと
  • データ構造を定義する
  • データを永続化する
  • データを操作する
すべきでないこと
  • UIを定義する
  • データをViewで利用するのに最適な形に加工する

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