非効率な議事録作成・管理の課題を解消する、議事録に特化したWebサービスが音声認識に対応
ビジネスの現場で行われる会議につきものなのが議事録。登壇した川端氏は冒頭で、一般的な議事録運用の課題を挙げた。「個人単位で議事録ファイルを管理しているため形式がバラバラで検索もしにくい」「共有は紙に印刷して配布する」「録音や録画をしてもその内容をすぐに参照できない」などである。こうした課題を解消し、議事録作成をサポートするのが、アジャイルウェアが提供するWeb議事録サービス「GIJI」だ。
2018年2月に登場したGIJIは、複数人で同時に議事録を共有・編集できるサービスで、決定・重要事項の自動まとめ、資料の添付、タスクの生成、タスク管理ツールとの連携など、議事録作成に特化した機能を持つ。現在のユーザー数は約2万8000人、議事録数は15万件、大手通販会社での利用実績もあるという。
そして2019年9月には、さらなる効率化を目指した音声認識オプションがリリースされた。川端氏は「指向性マイクを搭載した専用のスマートスピーカー『Candle(キャンドル)』が、方向によって話者を特定して音声を認識して会議音声を文字にしていきます」と説明した。
この音声認識オプションを実演すべく川端氏は、対話の相手として同社営業担当の水口崇氏を隣に呼び寄せ、プレゼンのためのPCにCandleを認識させた。実演では、会議ではなく「時を戻そう」というフレーズで人気となった漫才コンビのネタのパロディで、バレンタインデーにちなんだ社内での2人のやりとりが展開された。
水口氏「社長、すごい義理チョコをどうぞ」
川端氏「すごい義理!……って……人として守るべき道義もすばらしい」
といった、同社の自由な社風を体現したかのような社員のボケと、社長のやさしいツッコミによる対話が繰り広げられ、GIJIの画面には音声とともにそのテキストが順次展開されていった。
専用マイクであるCandleの特徴は、360度の指向性だ。「Candleとの方向によって話者を特定するため、複数の話者が同時に話す際にも、話者ごとに別の音声とテキストが保存されます。GIJI上で参加者を設定すると、対話のテキストの頭に話者のアイコンが自動で表示されるようになっています」と川端氏。話者がいない方向からの音声を無視する設定も備えている。
なお音声認識エンジン自体は「mimi powered by NICT」を採用しており、GIJIの議事録作成機能は日本語だけでなく英語や中国語、韓国語もサポートしているという。
さらに川端氏は、「センテンスごとに音声を認識し、無音の状態がある箇所で音声やテキストを分けて管理しています。このため、音声ファイルを再生しながら該当箇所を探すのではなく、テキストを見ながら音声を楽に見つけることができるのです」と、データの探しやすさを強調した。
音声認識を備えたGIJIであるが、それはまだ完全なものではなく、自動的に議事録ができるレベルまでには至っていない。川端氏はあくまでも修正・編集が前提のサービスであるとし、「聞きたい音声をいつでも簡単に聞き返すことができて、かつ要点をまとめやすいよう、使いやすいUIを提供しています。従来の議事録は、個人やグループによって書き方がバラバラで、作る人のスキルに依存していました。GIJIなら誰でも簡単に作成や編集ができます」と議事録に特化した編集機能についてアピールした。