はじめに
Alinous-Coreは、Web-DBアプリケーションを作成するための開発言語環境です。環境はEclipseプラグインとして提供されており、プラグインの中には、
- Alinous Scriptのエディタ
- GUIデバッグ環境
- デバッグ用組込みサーバ(実行環境)
が含まれています。Alinous-Coreの開発環境は、サポートページから無料でダウンロードすることができ、フリーウェアとして提供されています。
対象読者
Alinous-Coreは、
- 簡単なSQLの知識
- HTMLのタグを理解する知識
があれば、誰でも簡単に扱うことができます。そのため、Webデザイナーの方で「デザインは得意だけれどもプログラムはどうも……」「仕事の幅を増やすためにJavaを勉強したが難しすぎる……」といった経験を持っている方にもおすすめです。ぜひ挑戦してみてください。
Alinous-Coreで何が変わるのか?
この記事を読まれているほとんどの方は、何かしらの形でWeb-DBアプリケーションを作ったことがあるのではないでしょうか。Webアプリケーション開発で使われる言語としてはJavaやPHPなどがあると思いますが、次のようなことで悩んだことはないでしょうか?
- Javaを習得する敷居が高い、言語が難しい。
- デザイナーとの連携が非常に困難。
- ソースコードが複雑になるため、保守するときにどこを直してよいか見つけるのが大変。
- フォーム変数のチェックにものすごく時間がかかる
- 1画面に複数の機能が入るにつれてプログラムが難しくなっていく。
- 一部分変えるだけでも、沢山のファイルを直さなくてはならない。
- HTMLの部品化ができない。再利用が困難。
これらの問題を解決するためにAlinous-Coreは誕生しました。それでは、Alinous-Coreについて見ていきましょう。
Alinous-Core概要
Alinous-Coreの基本的概念や機能について説明します。図1は、Alinous-Coreの実際のプロジェクトのディレクトリ構造を、EclipseのPackage Explorerで表示したものです。
Sampleというフォルダがプロジェクトのルートフォルダになっており、その下にさまざまなファイルがあります。Sampleフォルダの直下に「ALINOUS_HOME」というフォルダがありますが、これがAlinous-Coreのコンテンツを入れるフォルダになっています。図から分かるように、Alinous-Coreは、通常のHTMLの静的コンテンツをApacheなどのウェブサーバに配置する場合とほぼ変わりません。違いといえば、
- alinous-config.xmlというファイルが存在する
- 拡張子が「.alns」というファイルが存在する
という2点であり、これがAlinous-Coreの特徴となる部分になっています。
「alinous-config.xml」は、Alinous-Coreが動作する上で「どのホストのどのデータベースを使うか?」「セキュリティーの仕組みはどうするか?」などの設定をするXMLファイルです。これは、どのサーバソフトウェアにも存在するいわゆるconfigファイルです。
一方、拡張子が「.alns」というファイルは、静的コンテンツに動的な要素を付け加えるためのスクリプトを書くためのファイルです。Alinous-Coreのコンセプトは「HTMLとSQLで本格的なWeb-DBアプリケーションを開発する」というものですが、SQLの部分をこのファイルに書き込むことができます。