プロダクトの「What」の責任者としてのプロダクトマネージャー
このように成長を遂げるYAMAPですが、そのプロダクトマネージャーは2名のチームで行っています。その業務は多岐にわたっているのですが、一例を挙げると以下のような業務に日々取り組んでいます。
- 次期の目標(OKR)を決めるための調査・戦略策定
- 登山の安全性をより向上させるための新機能の企画
- より多くのユーザーに使ってもらうための新機能プロモーションの立案
- 開発プロジェクトのキックオフ・リリース時期の決定
- サポートから報告のあった事象の対応可否の決定
- ……
このように戦略レベルのことから個別のユーザー問い合わせ対応など、非常に広い範囲のプロダクトに関する業務が存在します。当然多忙にはなるのですが、その中で果たすべき役割を見失わないようにするためにも、「プロダクトマネージャーの”コア”の役割は何か」ということをしっかりと明確に意識する必要があります。
私は、プロダクトマネージャーはプロダクトが「何を作るか」=「What」の責任者であるということを強く意識しています。具体的には、「プロダクトのWhatを明確にし、その優先順位を決定すること」がプロダクトマネージャーの役割だと考えています。
ただし、「What」はそれだけが独立して存在しているものではありません。
「それをなぜ作るのか」=「Why」がそれに先だって存在します。プロダクトマネージャーは誰にいつ聞かれようとも、これに明確に答える必要があります。ユーザーの課題を発見したり、ビジネス上の要件を定義したりするなど、「What」を決定するためのあらゆることも行います。
そしてそれを「どのように実現するか」=「How」や「いつリリースするか」=「When」という重要な要素があります。これらを考慮しないと、非現実的なWhatとその優先順位を作るだけになってしまいます。HowやWhenは主にデザイナーやエンジニアと会話・相談しながら決めていくことになります。
プロダクトマネージャーはプロダクトの独裁者か?
勘違いされがちですが、「Whatの責任者である」は、「プロダクトのWhatはプロダクトマネージャーが独裁的に決めるべきである」ということではないと思っています。プロダクトマネージャーは「What」とその優先順位に責任を持ちますが、それは決める主体となることとは異なります。その責任をブレイクダウンすると2つの責任に分割できます。
- なぜそのWhatにしたのか、優先順位にしたのかを論理的に説明できる責任=説明責任
- そのWhatをきちんと世に出して、狙った効果を獲得する=成果責任
世に出てリリースされるまでには、そのWhatについて論理的に説明する責任があります。「経営者がそう決めたから」「自分の権限で決めたから」ではなく、関わる方すべてに伝わる言葉で、そのWhatの内容と優先度の理由を説明しきる必要があります。
また、リリースしたら終わりではありません。狙った効果が出るまできちんとコミットし、計測して、必要があればより効果を出すための策を行う必要があります。
逆に言うと、この2つの責任をプロダクトマネージャーがしっかり取れるのであれば、「決める」こと自体はプロダクトマネージャー以外であっても良いと考えています。「誰が決める」かは、より良いWhatを得るための方法の一つでしか過ぎないのです。
プロダクトに関わる全員にコミュニケーションを取り、悩み抜いて、より良いWhatに辿り着くことに最大の努力をすることが重要です。私は、「組織がより良い解を見つけるために貢献する良いファシリテーターであること」がプロダクトマネージャーとして必要な要素だと考えています。
