人気の高まりが続くPython。認定試験の受験者は年間1万人ペースに拡大
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の設立の目的は、学習の指針となる認定試験と教材認定とスクール認定を行い、健全なPython人材育成を支援すること。
同協会代表理事の吉政忠志氏は、マーケティングコンサルティングの会社を経営する傍ら、Pythonエンジニア認定試験だけでなく、PHP試験、徳丸試験、Rails試験、ヤマハネットワーク機器の検定などを運営。マーケッターとしての活動が日経産業新聞に報じられたり、赤十字の活動から勲章を授与されたりするなど各方面で活躍している。
同じく登壇した顧問理事の寺田学氏は、Pythonによるシステム構築・コンサルティングを行う、株式会社CMSコミュニケーションズの代表であり現役のPythonエンジニア。協会では試験問題及びコミュニティ連携を担当している。
セッションでは昨年と同様にまず吉政氏によるPythonの市場動向に関する話題が展開された。Pythonエンジニア育成推進協会が提供する基礎試験は、開始から3年で1万人が受験。ちなみに去年発表された受験者数は開始から2年1カ月で5000人。1年弱でおよそ5000人が受験したことになる。さらに吉政氏は「1万人受験を報じたとたんに受験者が増え、4年目は年間1万人のペースで受験いただいています」と試験の注目度を語った。
その裏付けとして、日経クロステックの記事おいて「今取るべき民間資格」として2位に選ばれたことや、パーソルキャリア運営「TECH Street」の調査において、ITエンジニアが学びたいプログラミング言語としてPythonが第1位に選ばれたこと、そしてPythonが「TIOBEプログラミング言語オブ・ザ・イヤー2020年」を受賞といった情報が共有された。
Python市場は人気であるものの、Pythonの作法に詳しくない人の書籍が多く流通するなど、健全な育成ができない可能性があるとの懸念もあるという。Pythonエンジニアたちが共有している言葉に『Pythonic(パイソニック)』のいうものがある。これはPythonの作法を適切に使い、Pythonの力を最大限に引き出す、プログラミングフィロソフィーだ。
吉政氏は「Pythonicを理解した人材が育成されるよう、 学習の指針となる試験と教材認定、スクール認定を行い、 健全なPython人材育成を支援するべく、本協会を設立しました」と語った。同協会のサイトでは、これまでの人材育成の事例も公開されている。