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「ビジネスの理解」と聞いて苦しくなるデザイナーにおくる、ビジネスとデザインをつなげるためにできること

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感覚で理解していることの理屈を知る楽しさとは

 デザイナーがデザイナー以外のメンバーから「感覚的ではなく、定量的に説明してほしい」というフィードバックを受けることもあるのではないでしょうか。

 これは大変難しい問題です。なぜなら、デザイン教育の世界は感覚だけで話が進むことが多いからです。先生か学生かを問わずデザインだけを対象にしている間柄では、感覚的なコミュニケーションでもさほど問題は起きにくいかもしれませんが、ビジネスの世界に足を踏み入れれば、ロジックや数字が求められない日はないでしょう。

 ですがだからといって嘆く必要はありません。デザイナーが感覚で理解していることは、どこかで定量的に実証されていることもあります。

 たとえばヘッダーに10個のリンクを追加するよう依頼されたら、「ヘッダーの中だけで10個は多すぎると思うので、せめて5個くらいに減らしませんか?」のような提案をするデザイナーは多いと思います。これを実証する研究として、「人間が瞬間的で記憶して理解できる数は4±1程度」というものがあり、現在はその節が有力です。

 このように、自分が感覚で選択していることの裏側にある理屈を知ることは非常におもしろいと私は感じています。ビジネスそのものを理解することとは少し視点が異なるトピックですが、理屈を知って感覚と結びつけられるのは、事業成長に役立つスキルに違いありません。

 また、同じ提案内容であっても以下の伝えかたは、与える印象が大きく異なると思います。

  1. 「10個は多すぎるので5個にしませんか?」
  2. 「こういった研究があり、4±1の範囲に収めるのが良いとされています。できるだけたくさん載せたいのはもちろんなので、最大値である5個に収められるようにしませんか?」

「一理ある。やってみよう」と思ってもらえるような説明を心がけるのも、ビジネスパーソンとしてのデザイナーには必要なスタンスではないでしょうか。

 ここまでさまざまな視点からビジネス理解の重要性についてお話してきましたが、ビジネスの専門家になる必要はありません。

 日頃会社や事業で重要になる概念が理解できていて、ビジネス的な観点も取り入れながらデザインを考えられる――。実務に携わるデザイナーとしてまず重要なのは、このあたりのレベル感だと思います。

 すべてを自分ひとりで理解する必要はありません。自分の業務に近い分野を重点的に学んだり、わからないものは専門の人にアドバイスを仰いだりする姿勢でいることを大切にしていきましょう。

まとめ

  • ビジネスの観点を取り入れることで、デザインスキルを100%活かすことが可能に。
  • 最初から広い範囲を完璧に理解しようと思わず、小さいことから始めるスタンスを大切に。
  • ビジネスを理解する姿勢は必須なものの、ビジネスの専門家になる必要はない。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13977 2021/04/15 08:00

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