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翔泳社 新刊紹介

人を豊かにするテクノロジーのあり方とは? ニーチェから読み解く『ニヒリズムとテクノロジー』発売

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 日進月歩で発展するテクノロジーに、人はどう向き合っていけばいいのか。両者の関係について哲学者ニーチェが研究したニヒリズム(虚無主義)の観点から考察する『ニヒリズムとテクノロジー』がCodeZineを運営する翔泳社より8月5日(木)に発売となりました。

ニヒリズムとテクノロジー』は、オランダのトゥウェンテ大学教授で応用哲学を専門とするノーラン・ガーツ氏による『Nihilism and Technology』の邦訳です。

 本書ではガーツ氏がニーチェのニヒリズムを用い、FacebookやNetflix、Twitter、YouTube、Google、Uberなどのグローバルで人気の高いサービスを題材に、人を豊かにするテクノロジーはどうあるべきかを考察。カーツ氏はSNSやVRなどのサービスが人の意思決定力や自分に対する責任を奪いつつあると指摘し、その仕組みを解説しながら危険性や可能性について解説しています。

 そもそもニヒリズムとは、人や物事に本質的な価値はないとする立場です。ニーチェはそれに対し、諦めて流されるままに生きる消極的ニヒリズムと、みずから価値を作っていく積極的ニヒリズムの2つのスタンスを提示しました。そしてニーチェが積極的ニヒリズムを提唱したように、本書でもカーツ氏はそのスタンスに立つことで、人がテクノロジーと向き合いながら豊かに生きるための道筋を照らし出そうとしています。

 最新のテクノロジーを活用したサービスを使うユーザーはもちろん、それを作る開発者にとっても他人事ではありません。テクノロジーとの関係についてしっかり考えてみたい方は、ぜひ本書を読んでみてはいかがでしょうか。

目次

第1章 ニーチェなら現代テクノロジーをどう見るか?
 1.1 テクノロジーは人を「解放」するか
 1.2 テクノロジーと価値観の衝突
 1.3 本書の概要

第2章 ニヒリズムとテクノロジーの関係
 2.1 ニヒリズムとは?
 2.2 サルトルとニヒリズムの正常性
 2.3 ニーチェとニヒリズムの系譜
 2.4 人体改変とニヒリズムのアップグレード

第3章 ハイデガーの技術論への反論とポスト現象学
 3.1 テクノロジーとは何か?
 3.2 ハイデガーのテクノロジー論
 3.3 アイディのテクノロジー論
 3.4 ニーチェと「ニヒリズム - テクノロジーの関係」

第4章 ニヒリズムと「催眠」テクノロジー
 4.1 自己催眠――人とニヒリズムの関係(1)
 4.2 自己催眠からテクノロジー催眠へ
 4.3 テレビもユーチューブも「自分」を見ている
 4.4 ストリーミングはやめられない
 4.5 非現実に囚われる人たち
 4.6 テクノロジー催眠の危険性

第5章 ニヒリズムと「データドリブン」テクノロジー
 5.1 機械的活動――人とニヒリズムの関係(2)
 5.2 機械的活動からデータドリブンな活動へ
 5.3 終わりのない目標とフィットビット
 5.4 日常生活のゲーム化
 5.5 アルゴリズムへの信頼
 5.6 データドリブンな活動の危険性

第6章 ニヒリズムと「娯楽経済」テクノロジー
 6.1 小さな喜び――人とニヒリズムの関係(3)
 6.2 小さな喜びから娯楽経済へ
 6.3 身体情報の切り売り
 6.4 判定の快感と差別
 6.5 マッチング・ゲーム
 6.6 娯楽経済の危険性

第7章 ニヒリズムと「畜群ネットワーク」テクノロジー
 7.1 畜群を求める本能――人とニヒリズムの関係(4)
 7.2 畜群の本能から畜群ネットワーキングへ
 7.3 ソーシャルネットワークの源流
 7.4 コミュニケーション・ツールに潜む力

ニヒリズムとテクノロジー

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ニヒリズムとテクノロジー

著者:ノーレン・ガーツ
翻訳:南沢篤花
発売日:2021年8月5日(木)
定価:2,970円(本体2,700円+税10%)

本書について

本書はニーチェの思想に対する新たな解釈を探るものではない。人とテクノロジーの関係について、ニーチェの哲学をヒントに、その優れた批判的視点を養うことを目指したものだ。

 

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/14487 2021/08/06 07:00

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