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開発者が「オブザーバビリティ」を活用するメリットとは?【デブサミ2022】

【18-A-5】開発者にこそ聞いて欲しい。「オブザーバビリティ」を活用してアプリケーションの信頼性を向上させよう!

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2022/04/07 12:00

 「Observability Conference 2022」が開催されるなど、開発系のイベントでも注目を集めている「オブザーバビリティ」。運用担当者のみが活用する領域と思われることも多いが、運用担当者がオブザーバビリティをうまく活用するには、観測すべきデータをできる限り収集することが重要であり、それができるのは開発者だ。本セッションでは開発者の目線から見たオブザーバビリティの使い方について、日本ユニシス株式会社 サポートサービス本部 DXソリューション部 ソリューション開発室の岡田尚希氏が解説した。

目次
日本ユニシス株式会社 サポートサービス本部 DXソリューション部 ソリューション開発室 岡田尚希氏
日本ユニシス株式会社 サポートサービス本部 DXソリューション部 ソリューション開発室 岡田尚希氏

オブザーバビリティとは何か?

 「本セッションのゴールは、開発者の皆さまにオブザーバビリティを『こんな風に使えるんだ』『自分のプロジェクトでも使ってみたい』など、自分ごととして捉えてもらうことです」

 日本ユニシスの岡田氏はこのように述べ、セッションは始まった。

 オブザーバビリティは昨今「SpringOne」の基調講演や「VMworld」など、さまざまなイベントで語られるようになっている。さらに今年3月にはオブザーバビリティにフォーカスした単独イベント「Observability Conference 2022 by CloudNative Days」が開催されるなど、開発系イベントでも非常に注目を集めている。

 とは言え「オブザーバビリティとは何か」と改めて聞かれると、端的に答えるのは難しい。オブザーバビリティというキーワードで検索すると「『メトリクス』『トレーシング』『ログ』といった3本柱で構成される」との説明が出てくる。また画像検索を行うと、グラフやログ検索などの画面がヒットする。

 このような状況から、開発者の多くはオブザーバビリティを運用担当者だけが活用する領域だと思いがちだ。だが岡田氏は「オブザーバビリティは旧来型のモニタリングとは異なり、開発者がいるからこそ、より活用できる領域」と言い切る。

 なぜそう言い切れるのか。オブザーバビリティを日本語にすると「可観測性」となる。可観測性と日本語にしてもよくわからないため「『観測』という言葉にフォーカスして考えていきます」と岡田氏。

 観測とは「観察し測定すること」である。例えば果物を栽培する際に、人は日照時間や気温などを測定する。この場合の観測目的は明快で「果物の品質向上」にある。「システムに当てはめても同じことが言えそうですよね」と岡田氏は参加者に呼びかける。

 「オブザーバビリティは、果物の観測と同様にシステムを観察し、詳しく理解することで品質を向上するためのものだと考えています」

 この観察の際に重要になるのが、データである。先の果物の例では、品質向上につなげるために日照時間や気温という生産対象特有のデータを取得し、分析する。システムにおいても同様で、そのシステムを表す特有のデータを取得して、特有の分析をする必要がある。ではそのシステムの品質向上につながる特有のデータとは何か。「それを把握しているのがシステムを作った人、開発者です」と岡田氏は力強く語る。

 では、オブザーバビリティで何を観測すべきなのか。岡田氏は「CPUやメモリが思い浮かぶかもしれません。それらも正解ですが、オブザーバビリティのすべてではないのです。答えは『何でも』。オブザーバビリティはどのようなデータも事前定義なく観測することができます。ここが旧来型モニタリングとの大きな違いです」と解説する。

 旧来型モニタリングは監視対象のサーバーが決まっており、決められた対象にエージェントを導入し、CPUやメモリなどの決められたデータを収集、監視していた。だがビジネススピードが加速している現在、従来のようなモノリスのシステムではなく、機能ごとに分解されたマイクロサービスでシステムを構築することが増えている。このマイクロサービス時代においては、どのようなデータも事前定義なく送ることができ、観測できることが必要だ。そしてこの「どのようなデータも事前定義なく送ることができ、観測できること」が、開発者にとっても大きな意味を持つのである。

オブザーバビリティであればどのようなデータも事前定義なく送れ、観測することが可能
オブザーバビリティであればどのようなデータも事前定義なく送れ、観測することが可能

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著者プロフィール

  • 中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

     大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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