開発者がWWDCに参加するメリット
このように開発者はセッションを通してAppleが提供する新しいOSの機能やAPIを知ることができます。それを自分たちのアプリに適応することによって、新しい体験をユーザーに提供することや、古い技術を使用することによる不具合の発生を防ぐことが可能です。
例えば、今年度発表されたActivityKitを使えばiOS 16の新機能を利用して、iPhoneのロック画面にスポーツ試合の中継情報(図2)やタクシーが到着するまでの時間(図3)などのライブ情報を表示することができます。
また、iOS 16での変更点を知ることによって、iOS 16にて自身のアプリに不具合が起きないか予測し修正することも可能です。このような改善は、App Storeにて配信されているアプリの品質を高めることにつながります。逆説的ですが、WWDCが開催される目的はここにあると考えられます。
また、開催形式についてですが、WWDC19までは主にサンフランシスコにて開催されていましたが、WWDC20からは感染症対策の観点からオンラインにて開催されるようになりました。そして、今年のWWDC22ではオンラインとオフラインを組み合わせる形での開催となりました。
抽選に当選した開発者はApple ParkにてWWDCを楽しむことができる仕組みです。Apple Parkに訪れる機会を(しかも無料で!)手に入れるために応募した開発者は多いのではないでしょうか。
最後に、1-on-1 Developer Labsについて簡単にご紹介します。WWDCの開催期間中にはAppleのエンジニアやデザイナーなどの専門家に対して質問を行うことが可能です。この機会を利用して、セッションを聞くだけでは得られない情報や、普段の業務の中で疑問に感じている点を聞くことができます。
ただし、予約ができるのは、Apple Developer ProgramまたはApple Developer Enterprise Programのメンバー、もしくは2022 Swift Student Challengeの受賞者のみに限られています。