はじめに
前篇ではVS 2008のIDE部分をメインに解説しました。引き続き、中篇ではASP.NET AJAXをはじめ、VS2008で追加されたBCL(Base Class Library)について解説します。なお、今回の記事では、ベータ2段階での執筆だったのですが、11月19日にリリースされた英語版RTMを用いて検証も行った結果についても記しているので、日本語版RTM前に参考にしていただければ幸いです。
これまでの記事
対象読者
- ASP.NET 2.0を使ったことがある方
- Visual Studio 2008に興味がある方
必要な環境と準備
- Visual Studio 2008 、Visual Web Developer 2008 Express Editionもしくは、Visual Studio 2008 ベータ2
Visual Studio 2008(以下、VS 2008)もしくは、Visual Web Developer 2008 Express Edition(以下、VWD 2008)の環境の準備とハードウェア要件については前篇を参照ください。
ASP.NET 3.5の新機能(中篇で触れる部分)
- ASP.NET AJAXのサポート
- VS 2008上でのASP.NET AJAX Control Toolkitの扱い方
- 追加されたBCLについて
ASP.NET AJAXの標準サポート
ASP.NET AJAXはASP.NET上で利用可能なAJAX対応フレームワークです(ASP.NET AJAXに関する詳細は、「触ってみようASP.NET 2.0 AJAX Extensions」を参照)。ASP.NET 2.0では、ASP.NET AJAXは追加でインストールを行う必要がありましたが、VS 2008では標準でサポートされます(つまり、VS 2008をインストールするだけで利用が可能です)。
ASP.NET 2.0/3.0ではASP.NET AJAX 1.0から利用しますが、ASP.NET 3.5では、.NET Framework 3.5で提供されるAJAX 3.5を利用します。
ただし、ASP.NET AJAX Control Toolkit(以下、Control Toolkit)については、従来通り、ASP.NET 3.5に追加でインストールを行う必要がありますので、要注意です。CodePlexからVS 2008(.NET Framework 3.5)用のモジュールをダウンロードするようにしてください。Control Toolkitの利用方法は「使ってみようASP.NET AJAX Control Toolkit(入力補助コントロール編)」の記事を参照ください。
筆者が触れてみた感想として、.NET 2.0/3.0から.NET 3.5へバージョン変更(逆もですが)した場合に、AJAX Extensionsのデザインがエラー表示されることがありました。また、実行時エラーが起きることも確認できました。RTM版ですが、AJAXを使用する場合には、できる限りASP.NET 3.5を使用するようにしてください。
基本的な扱い方についても基本的には変わりませんので、従来学んできた知識はASP.NET 3.5でもそのまま有効です。
現時点で判明しているASP.NET AJAXの変更点は次のとおりです。
- Webパーツ内でUpdatePanelを使用する時のサポート
- JSONエンドポイントに基づくWCFのサポート
- ASP.NETプロファイル使用の機能の修正
- JavaScriptを使用したロールとログインアプリケーションサービス