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Developers Summit 2024 セッションレポート(AD)

開発者の心を掴み、生産性向上へ──アトラシアンから学ぶ、「Developer Joy」実現ストーリー

【15-C-2】開発生産性?いや、Developer Joyについて語ろう。

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開発者にとっての喜び「Developer Joy」を構成する2つの要素

 ただし同社でも、こうした洞察に至るまでには紆余曲折があったという。同社がDeveloper Joyの向上に本格的に取り組むようになったきっかけは、約2年前に実施した社内アンケート調査だった。社員数が急増していた時期に「開発者の満足度」についてアンケート調査を実施したところ、「満足している」と答えた社員が半数を割ってしまった。

 この結果にショックを受けた同社の経営陣は、早速その改善に乗り出した。大規模なサーベイやインタビューを実施して現場の声を拾い集めた結果、「多すぎる“摩擦”」「自律性の欠如」「コードを壊してしまうことへの恐れ」といったさまざまな要因によって、Developer Joyが損なわれていることが分かった。

 こうして収集した開発現場の声を基に、Developer Joyを構成する要素について考察を重ねた結果、最終的に「Developer Experience(DevEx)」と「Engineering Culture」の2つが重要であるとの結論に至ったという。

Developer Joyを構成する2つの要素
Developer Joyを構成する2つの要素

 Developer Experience(DevEx)とはその名の通り、開発者が日々の開発業務を行う上での「開発者体験」のことを指す。このDevExは開発業務で利用されるツールやフレームワーク、プラットフォームなどの充実ぶりに大きく左右されるが、ここで重視すべきは「ツールが揃っているかどうか」ではなく、そのツールについて「開発者がどう感じているか」であると皆川氏は力説する。

 「ツールに対して開発者が不満を持っている状態が続くと、Developer Joyは決して高まりません。そこで現状のツールやフレームワークについて開発者が主観的にどう感じているか、定期的に開発現場の声を集めてツールの見直しや追加を行い、場合によっては自分たちでツールを自作するなどしています」

 またEngineering Culture、つまりエンジニアリングの「文化」を醸成することも極めて重要だ。その組織の価値観や仕事の進め方、規範、意思決定の在り方などの要素を融合させることで、Developer Joyを高められる組織文化が形成されるという。

 「私自身の開発者としての経験を踏まえても、日本企業はこのEngineering Cultureの部分が弱いと感じています。開発者同士で共通の価値観やストーリーを共有できないと、『何のためにこのソフトウェアを作っているのだろう』と疑心暗鬼になってしまい、自ずとDeveloper Joyも低下してしまいます」

次のページ
Developer Joy向上への旅──開発者が楽しく働ける環境づくりの3ステップ施策とは?

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

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