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はたらき方が多様化する現在、人材サービス業界の変化とは? ──パーソルグループならではの開発組織作り

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自分の軸をしっかり持ちながら、さまざまな領域にチャレンジできる環境

──パーソルキャリアの開発組織の立ち上げから現在まで、どのような変遷を辿ってきたのでしょうか。

鹿野:パーソルキャリアの内製開発組織が立ち上がり始めたのは、私が6年前に入社してすぐの頃。当時新規サービスの立ち上げを進めることが決定し、ゼロからサービスやプロダクトを生み出し始めました。

 1~2年経ち、サービスグロースフェーズでフルスタックエンジニアとして活躍する方がいる一方で、徐々に自分の担当領域という軸を持って業務に携わるエンジニアが増えていきました。とはいえ、他の領域に染み出すことがなくなったわけではありません。各メンバーが自分の軸をしっかり持ちながら、他の領域に染み出していくという形で動いていました。そして現在、開発するサービスやプロダクトが増え、組織も拡大してきましたが内製メンバーだけでは足りず、業務委託やベトナムオフショアも活用しながら、内製開発を進めています。

 開発組織の成長に伴い課題となってきたのは、dodaの開発を担うチームと新規サービス開発チームとの間のつながりが薄れてしまってきたことです。パーソルキャリアは、プロダクトやサービス、組織の特性に応じて最適な技術要件、開発スタイル、技術スタックが異なるため、それがチームをこえた繋がりを希薄にしてしまったのです。

 複数の開発チームが存在する社内において、自分の担当するプロダクトだけにとどまらず、他のチームからも知見を吸収し、それを成長の機会にしてほしい。そこで、チーム間の横の連携を促進するための施策をいくつか推進しています。

 そのうちの一つが、1〜3カ月間だけ、担当しているサービスやプロダクト以外の開発現場に参加する “留学”施策です。dodaの開発チームに新規サービス開発メンバーが留学することもありますし、逆も然りです。dodaのエンジニアは新しい知見を得ることができ、新規サービス開発チームのエンジニアはdodaの開発体制やルールを知ることができます。

パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 ITアーキテクチャ統括部 アーキテクチャ管理部 ゼネラルマネジャー 鹿野徹也氏
パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 ITアーキテクチャ統括部 アーキテクチャ管理部 ゼネラルマネジャー 鹿野徹也氏

中桐:エンジニアが他のサービスやプロダクトに携わることは、技術負債の解消にもなりそうですね。

鹿野:そうなんです。これまで技術スタックがそれぞれ違うこともあって、技術負債を十分に可視化できていませんでした。そこで今期から、開発組織全体でプロダクトの状況を可視化する取り組みを進めています。ここの取り組みによって、エンジニア同士が横のつながりを持ち、連携しやすい体制も整えていきたいと考えています。

──パーソルホールディングスでは、開発組織を立ち上げたばかりですが、どういう背景があったのでしょうか。

中桐:CoEはさまざまな職種で構成されていますが、中でも半分以上を占めているのがITコンサルタントなんです。その中で、エンジニアがよりはたらきやすい環境を作るために、エンジニアだけで構成される組織としてデジタル開発部を立ち上げました。

 新しい組織なので、できるだけモダンな技術選定をしています。生成AIの活用もその一つです。生成AIを活用し、生産性を高めたり、お客さまへの価値提供にサービスにつながったりするプロダクト開発も試しています。加えて、CI/CDの導入やテストの自動化、コンテナによる再現性の担保など、少人数でも品質に寄与できるようなプロセスの構築を行っています。

 新しいチャレンジもどんどん行っていまして、今は生成AIによるプロダクト開発も行っています。具体的には、CoEに所属するデータサイエンティストやAIエンジニアと一緒に、私たちが技術支援を行っているパーソルテンプスタッフの営業担当者向けに、生成AIや従来型のAIを活用した営業支援ツールや業務の自動化ツールの開発に取り組んでいます。

 マインド的には、新しいものに取り組みながら、常にベストプラクティスを探し続ける、そんな自由さとチャレンジが推奨される文化となっています。「エンジニアだから企画に携わらない」ということなどはなく、自分の担当領域から染み出しながら開発に取り組んでいます。

鹿野:新しい組織だからこそ、抱えている課題はありますか。

中桐:キャリアのモデルケースが少なく、個々のキャリアプランを明確に描きづらい点があります。この課題を解決するため、自分たちの成長やスキルの積み上げを可視化出来るプロダクトを作ろうという企画がエンジニア発信で立ち上がりました。そういうエンジニア個々の自主性を大事にすることも、組織を立ち上げていく際のポイントだと思います。

──変革期を迎えたパーソルキャリアの開発組織も、立ち上げ期のパーソルホールディングスの開発組織も、これからさらに大きなチャレンジがありそうですね。

中桐:パーソルグループはチャレンジを推奨する文化があります。私が入社した時、パーソルホールディングス社員の人事データベースを作りたいと申し出たところ、予算もない中で作らせてもらいました。ちゃんと企画して提案すれば、認めてくれる環境です。

 とはいえ、人材サービス業界ならではの大変さもあります。それはセキュリティ面です。お客さまのデータの保護と適正な管理をするため、かなり厳格な基準が設けられています。

鹿野:セキュリティ面は確かに大変です。例えば、普段使っているマシンもVPN接続ですし、アプリケーションのインストールも自由にはできませんからね。ですが、パーソルキャリアではこれまでの境界型セキュリティからゼロトラストセキュリティへのチャレンジも一部進めています。当社のミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」に合致させるためとも言えます。ゼロトラストという新たなセキュリティの考え方にもチャレンジさせてもらえるのはありがたいですね。

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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