IDC Japanは、国内MDR市場の動向に関する調査結果を2月5日に発表した。同調査では、国内MDR(Managed Detection & Response)市場において、セキュリティ製品ベンダとMSSP(Managed Security Service Provider)の間で激しくなりつつある競争の状況や、その中でAIを用いた自動化が果たす役割について分析している。
大手企業を中心とした、エンドポイント向けのセキュリティ製品であるEDR(Endpoint Detection and Response)の普及にともない、EDRの運用をアウトソーシングするMDRの需要が高まっていることから、セキュリティ製品ベンダが自社でSOC(Security Operation Center)を運営して、運用サービスを提供する動き(MDR化)が広がりつつある。あわせて、セキュリティ製品が単一の機能を提供するポイントソリューションから、広範囲のサービスを提供するプラットフォームへと進化しており(プラットフォーム化)、これまでMDRを提供してきたSIerや通信事業者といったMSSP(Managed Security Service Provider)との競争が激化している。
![EDR製品ベンダとMSSPにおける競争領域の拡大](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/20919/20919_fig01.png)
同調査によれば、MSSPにおけるセキュリティとネットワークの一体的な運用サービスとしての提供や、オフィスソフトウェアやID管理製品を含む包括的な導入支援は、製品ベンダに対する差異化の要素となりつつある。また、MSSPなどで競争力を強化すべく、コスト削減や省力化に資する自動化機能やAIエージェントの活用が広がっている。こうした機能は当初、原因究明よりも早期復旧に対する要望が強く、顧客企業側での24時間の対応が困難であることも多い中堅企業による利用が中心になるとみられていたものの、実際には想定した以上に大手企業の顧客からの反応がよく、大手企業が導入するケースがみられるようになってきた。さらには、国内のMSSPが独自に開発した日本語LLMや、AIエージェントを用いてセキュリティ運用を自動化する取り組みが広がっているという。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です