IDC Japanは、国内ITバイヤー(エンドユーザー)企業におけるデジタルスキル育成とナレッジ共有の実態に関する調査結果を、2月18日に発表した。同調査は、2024年5月に、国内の従業員数300名以上のエンドユーザー企業に所属している、IT戦略策定や予算の決裁、情報システム部門の管理に関わる人300名に対して行われている。
調査結果によれば、DXに積極的に取り組む「先行-良好企業」はそのスキル育成において、従来からの座学だけでなく人を介した育成やAIを積極的に活用していることがわかった。
対照的に、「遅行-不良企業」では社内外の座学の研修に偏りがちであり、さらに5社に1社が「スキル育成を実施していない/わからない」と答えており、深刻な状況が明らかになっている。
育成の効果や成果を尋ねた質問では、「遅行-不良企業」では20%未満しか一定の成果を実感していないのに対して、「先行-良好企業」でも30%未満の企業は成果や効果に満足しておらずさらなる改善を感じており、デジタルスキル育成の困難さがうかがえる。
これらの結果を受けて、IDC JapanのTech Buyer リサーチマネージャーである鈴木剛氏は、「DX戦略の実現には、必要なスキルセットを明確に定義し、現状とのギャップを分析した上で、最適な育成計画を実行することが重要である」と述べるとともに、「育成においては、座学に加えてDXプロジェクトへの参加など、実践的な経験の機会を提供することも不可欠であり、育成で得られたナレッジをコンテンツとして蓄積し、生成AIなどのツールを活用して共有することで、組織全体の育成とナレッジ共有を促進し、企業文化の変革へつなげるべき」との考えを示した。

この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です