AWS Skill Builderの活用を広げるため、イベントと勉強会を実施
生成AIのように、エンジニアのスキルを向上させるテクノロジーを浸透させ、組織の力としていくためには、メンバ−自身が自主的に学んでいく文化を作ることが重要となる。そこで、次は「学び続ける文化の醸成」を目的とした、AWS Skill Builder導入の取り組みについて小島杏水氏が紹介した。

小島氏は2022年に新卒入社後、「突出したAWSの活動実績がある若手エンジニア」を表彰するプログラム「2024 Japan AWS Jr. Champions」に入社2年目で選出された経験を持つ。現在は、約540万人(※)の人事データを管理する同社製品「COMPANY」のインフラ保守を担当しながら、社内のAWS Skill Builderの普及活動を行なっている。
AWS Skill Builderは、AWSをオンラインで学ぶためのプラットフォームであり、さまざまなコースが選べ、600を超えるデジタルトレーニングが無料で受講できる。個人および団体向けのサブスクリプションサービスが用意されており、契約すれば、自前のAWSアカウントなしでサービスに触れるハンズオンコンテンツ「Builder Labs」や、社内でイベント開催ができる「AWS JAM」、AWS認定公式模擬試験など、さまざまな追加コンテンツが利用可能になる。
しかし、小島氏は「AWS Skill Builderのライセンスを、渡しっぱなし、もらいっぱなしになってはいないか」と語りかける。たしかにAWS Skill Builderも含め、会社が用意したツールや環境が上手く利用できていないケースは決して少なくない。
小島は、こうした状況を回避するために、社内で2つの取り組みを行なっている。1つは月1回の「社内JAMイベント」の開催、もう1つは定期的な「BuilderLab勉強会」の実施だ。それらによってAWS技術への関心を高め、スキル&知識を向上させることで、トラブルシューティングの速度向上や新サービスへの対応力の強化を図っている。当然ながらAWS関連の開発に挑戦する機会も増えたという。
まず「JAMイベント」では1時間半で5〜6問の問題を出題し、チームで解答を競うスタイルで行なわれる。リモートワーク中心の業務環境に合わせてオンラインで開催し、最後は順位をつけて表彰するまでがワンセットだ。また「BuilderLab勉強会」ではチームごとにハンズオン形式で学習を進め、学習した内容をGoogleスプレッドシートで管理し、メンバーや運営が把握できるようになっている。開催内容は、資格のコンテンツの視聴やJAMイベントの復習に当てるなど、チームごとに選定が可能だ。


(※)2024年12月末時点の契約法人におけるCOMPANY 人事の契約ライセンス数合計