大規模なシステムに求められる、フルスタックエンジニアリング・アーキテクティングのスキル
それぞれの開発フェーズにおいて(異なることもある上に共通することもあるが)強く求められるスキルがある。「いろいろ作るフェーズでは、フルスタックエンジニアリングのスキル。大規模なシステムに関わっている際は、アーキテクティングのスキル」だと巣籠氏は話す。

まず、サービス立ち上げ期はメンバーが一人であることもあるくらい、エンジニアメンバーが少ない場合が多い。そこで求められるのがフロントエンド、バックエンド、インフラに全部携わる「フルスタック」である。
「この段階においては、すべての領域を完璧にこなすのは無理なので、もう技術の深さについては割り切っちゃうことが大事かなと思います」(巣籠氏)
とにかく幅広くいろんなことができるようになっておいて、サービスができてきた段階で優れたエンジニアに来てもらい、サービスを直していくのが最適と巣籠氏はすすめる。今はCursorやRoo Code(旧 Roo-Cline)などの生成AIを活用したコード補完ツールなどもあるので、自分で書くコードを減らすことが可能だ。開発時に自分に「生成AIバフ」をかけられるので、文字通り幅を利かせやすい環境にあると言える。
「実際にCursorやRoo Codeなどが登場したことによって、ソロプレイな1人で起業するプレイヤーは増えてきました。今後もこのトレンドは続くのかなと思っています」(巣籠氏)
さらに、DeepSeek R1などすぐ使える生成AIを活用したエンジニアリングもより手軽にできるようになってきている。自分で「0→1」事業をやりたいならば、技術の幅と生成AIのバフをいかしてソロプレナーを目指すのもおすすめだと巣籠氏は言う。大規模システムに携わりたい巣籠氏は、自分で「0→1」からスタートする場合では成功してもそれなりに時間がかかるため、効率的に大規模なシステムに関わることができるルートとしてマルイユナイトを選んだ。
前半は、「サービス立ち上げ期は技術の幅が大事である」「そのためにはフルスタックエンジニアリングのスキルが必要である」「幅を利かせていくにはClineなどの生成バフを得てソロプレナーする方法もある」ことを述べて、まとめられた。

アーキテクティングとはどのような役割か
企業にもよるが、システムのアーキテクチャを考えるアーキテクトという職種が存在する。巣籠氏はマルイユナイトの紹介を兼ねて、その役割を説明した。前述した通り、マルイユナイトは丸井グループが2024年9月に設立したテックカンパニーだ。
丸井グループの収益は、その大半がエポスカード(クレジットカード)である。つまり、小売とFinTechの会社なのだ。1960年に日本初のクレジットカードを発行し、エポスカードは2006年に発行された。カード会員数750万人以上と大規模で長い歴史を持つ。
