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Developers Summit 2025 セッションレポート(AD)

「バグが収束せず、プロジェクトの炎上が止まらない!」——修羅場からの脱却をいかに実現したか?

【13-E-8】不具合流出の減らしかた。不具合流出の予防に効くツール選択と開発体制づくりを掘り下げてみる

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ISO 26262準拠の開発プロセスの構築が状況好転の契機に

 こうした窮状から同社が脱する転機となったのが、自動車の組込みソフトウェア開発で利用される同社のテストツール製品を、新たに機能安全規格「ISO 26262」に準拠させる必要性に迫られたことだった。ISO 26262は、主に自動車に搭載するシステムに関する機能安全規格であり、万が一ソフトウェアに不具合があったとしてもフェールセーフの仕組みによって安全を担保するという考え方に基づいている。

 同社が開発・販売するテストツール製品を車載ソフトウェア開発プロジェクトで採用してもらうためには、この規格をクリアしなければならなかった。そのためには、まず社内の開発自体を、機能安全に即したものへと見直す必要があった。

 そこで同社は、この規格に明るいコンサルタントの支援を受けながら、機能安全に準拠した開発プロセスをゼロから構築していった。さらにはこの活動で得られたノウハウを生かして、その他すべてのプロジェクトの開発プロセスを一気に改善し、長年悩まされ続けてきた「不具合の多発」「プロジェクト炎上の頻発」という課題の解決を図ることにした。

 この転機において特に同社が強化したのが、自社の開発に即した開発プロセスの標準化と、生産性向上のためのツールの積極採用だった。

「転機」によって強化した点(1)
「転機」によって強化した点:自社の開発に即した開発プロセスの標準化

 「開発プロセスの標準化については、それまで開発者一人ひとりの裁量に任せて開発を進めていた『個人商店的な開発スタイル』から、チーム開発を前提とした管理体制への移行を進めました。また開発のガイドラインや各種テンプレートを定義し、各工程における入出力情報や処理内容を明確化してフォーマットを統一しました。その一方で、プロジェクトごとにルールのテーラリング(カスタマイズ)を許容するとともに、開発プロセスの監査も実施するようにしました」(新井氏)

 またツールの積極採用に関しては、これまで長年使い続けてきたエディター、コンパイラー、リンカーといった基本的なツールでは網羅できない機能を補うべく、用途に応じてさまざまな開発支援ツールを積極的に導入した。市販のツールを導入するだけでなく、自社の要件にマッチするツールが見付からない場合は自社で開発しつつ、情報共有ツールやデバッグツール、テストツール、影響範囲検出ツールなどの整備を進めた。

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井山 敬博(イヤマ タカヒロ)

 STUDIO RONDINOのカメラマン。 東京綜合写真専門学校を卒業後、photographer 西尾豊司氏に師事。2008年に独立し、フリーを経て2012年からSTUDIO RONDINOに参加。 STUDIO RONDINO Works

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