
GovTech東京でしか得られない貴重なスキルと経験
──GovTech東京でしか得られない経験は何でしょう?
三上:2点あると思っています。1つはこれから長く使われるサービスをゼロから開発できること。LINEやPayPayにも立ち上げの時期がありましたけど、これから大規模に使われることになるサービスってそう多くはないと思います。そうしたサービスの初期から携われることは、なかなかない機会ではないかと思います。
もう一つは、*GQ (Government Intelligence Quotient) 。多くのステークホルダーとコミュニケーションをしながら最適解を見つけていくスキル。それが、GovTech東京で学べることだと思います。
* GQ (Government Intelligence Quotient)
例)行政の仕組みや法律知識、各種連絡調整など行政職員として必要な知識やスキル
松尾:私が入職する前には、内製開発を行うという部分はあまり情報として出ていなくて、ジョインしたらベンダーさんのマネジメントやプロジェクトマネジメントに携わるのかなというイメージでした。しかし実際は設計や実装で手を動かすこともできました。
三上:そうですね、1年前に求人票を見て「ちょっと違うかな」と思った人は、あらためて再確認していただけるといいかなと思います。
松尾:あとは、組織自体が2023年にできたばかりなので、組織内部のルールや開発標準も整備中の段階です。そのため、そもそもどうあるべきかを考えるフェーズなのでエンジニアとして貴重な体験ができると思います。
友成:エンジニア自身の得意と興味を掛け合わせ、多様なテーマに取り組める環境があり、企画やアーキテクトなどにも挑戦できて機会は幅広いと思いますね。ただこうした状況も期間限定で、5年、10年経つと役割分担が進むかもしれないので、今のフェーズならではだと思います。
自分が初期から開発に携わったサービスが時を経て、人々にどのように利用され、社会にどのような影響を与えるか。これはとても興味深いテーマです。深くて長くて良いサービスを作る体験は技術を超えて面白いと思います。
──これから挑戦したいことや展望などを教えていただけますか?
友成:行政における開発の進め方は未開拓です。合意のとり方、技術の見せ方、チームの作り方、プロジェクトの進め方など、技術と行政をセットにして考えることが求められます。そこもエンジニアから見たらポータビリティがあるスキルになると思うんですよね。
松尾:現段階で具体的に言えることは少ないのですが、私自身が都民でもあるので自分にとって使いやすいアプリにしていきたいですし、自分ができることは全てやっていきたいと思います。私が5年後、任期を終えてGovTech東京を去るとき、東京アプリのプロジェクトに関われたことを誇りに思い、残しておきたいと思えたらいいなと思います。
友成:具体的にどの機能とは言いませんが、東京アプリにチャレンジングな最新技術を使う可能性はありますか? 例えば災害時などの緊急事態でも立ち上げやすいとか使いやすい技術があったとしたら?
松尾:東京アプリのベースの上に乗っかるものに関しては、尖ったものを選ぶのは全然ありだと思います。そこはプラグインみたいなイメージです。もしかしたら自分たちが作るのではなく、民間の方にAPIを提供して使っていただくのもいいかなと思っています。逆に土台の部分はしっかりと枯れた技術で、ユーザーさんに影響を与えないものを、と考えています。
三上:フロントは今後たくさん出てくると思うので、開発効率とかで選ぶのはもちろん良いと思います。一方、バックエンドは長く使われるので新しいものはあまり出ていないというのもあるので、エコシステムがしっかりしているところを選びたいですね。
──GovTech東京に向いているのはどんなエンジニアでしょうか?
三上:行政に関わりたいだけではなく、これから成長する可能性が高いサービスにエンジニアリングで関わりたいなら、今の「東京アプリ」の現場は最適なフェーズになってきているのではないでしょうか。
友成:例えば、法令、会計関連のサービス経験がある人なら特に考え方が近いかと思います。ほとんどの人が行政関係に来たことがないと思いますが、あまり心配せずにまずは興味があればぜひカジュアル面談でお話しましょう。民間でやりきったなと感じられている方も、ぜひGovTech東京へ!
松尾:特定の言語や技術にこだわらず、いいプロダクトを作りたいという想いがある人、向上心がある人が向いていると思います。