Devin+Windsurfが実現する「眠っている間に進む開発」
ここでYan氏は、Devinの進化を象徴する2つのデモを行った。
1つ目は、本イベントのページURLをDevinに渡し、「この情報をもとに、英語と日本語の両方に対応したWebサイトをゼロから構築してください」と依頼するものだ。映像内では、Devinがコードを自動生成し、テストを繰り返しながら、トグル式の言語切り替え機能を持つWebサイトを完成させていく様子が映し出された。「私がまったく手を触れない間に、Devinがすべてを構築してくれたのです」とYan氏は満足げに語る。
2つ目は「DeepWikiの日本語化」だ。ある晩、日本のユーザーから「DeepWikiを日本語で読めるようにしてほしい」とリクエストが届いたのは、夜の10時43分。時差ボケと眠気に襲われていたYan氏は、Devinにタスクを投げてそのまま就寝した。

翌朝、Devinはすでに構成案を完成させ、Yan氏に向けていくつかの質問を投げかけていた。それに回答すると、Devinはすぐにコードを完成させ、プルリクエストまで提出。Yan氏はその場で動作確認まで終えることができたという。「米国に戻ったらマージしますよ」とYan氏は笑みを浮かべた。
「ただ、見た目についてはもう少し整えられるかもしれません。そこで、これから紹介するWindsurfの出番です」
Yan氏が披露したのは、AIエージェントを複数稼働させて並行処理させる「Devinの軍団」構想だ。ひとたびアイデアが思い浮かんだら、それを複数のDevinに同時に渡し、それぞれに別タスクを進めてもらう。そしてWindsurfは、複数のDevinが生み出した成果物をローカル環境に統合し、レビューし、必要に応じて改良を加え、実運用につなげていく。
指示の出し方も柔軟だ。Slack、Teams、GitHub、Datadog、Jiraなど、あらゆるチャネルからタスクをDevinに伝えることができ、GitHub上でレビューを依頼することも可能だ。それらのやりとりのハブとなるのがWindsurfであり、成果物の統合とレビュー、そして実運用への橋渡しを担う。
指示を出す人間は、まさに「指揮官」だ。AIエージェントと補完し合うことで、人間の判断力とAIの実行力が融合し、これまでにない開発スタイルが実現する。
「DevinとWindsurfは、Cognitionがこれまで最も注力してきたプロダクトです」。Yan氏はそう強調する。どちらもエンタープライズ対応とセキュリティ対応を軸に進化を続けており、すでに企業導入の実績も積み重ねている。大規模組織が求める厳しい要件にも応えつつ、DevinとWindsurfは、人間とAIの新たな共創の時代を切り拓こうとしているのだ。