--XMLデータベースについてエンジニアの方はどう捉えているのでしょうか? またどういった学習が必要になってくるのでしょうか?
中林氏: 「DB2 9」は、これまでのRDBと比較すると、XMLが使えるという革新性がありますので、エンジニアの方は魅力的に思っていらっしゃるようです。セミナーでもそういった意見をいただきました。学習については、基本的にRDBなので、RDBが使えることと、XMLの基礎知識が必要です。XMLに関してはさまざまな情報源がありますので、RDBを使ったことがある方ならそれほど難しいことではないでしょう。IBMのdeveloperWorksなどで学習コンテンツも配布しておりますので、ぜひ触って体感してほしいと思います。保証や保守サポートがなく、機能が一部制限されている無償版の「DB2 Express-C」も提供しています。
XMLデータベースについてもう少し深くやってみたい場合はXQueryなども学習する必要があります。XML技術者認定制度「XMLマスター」を目指すのもいいでしょう。手前味噌ですが、実は私「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」の合格者第一号なんです。受講者の声としてXMLマスターのWebページにも掲載されています。この試験は、XMLの応用的な内容も問われますので、資格を取ることが目的のものではなく、実践的なスキルが身につくようになっています。
--個人的に注目している技術についてお聞かせください。
中林氏: XMLの利用でデータベースが柔軟になっていますが、同時に携帯電話や地デジといった、PCのWebブラウザ以外のメディアへのXML活用も進んでいますので、エンドユーザーが利用するフロントエンドの自由度についても注目しています。先ほど携帯電話サービス向けのマイメニュー管理のお話をしましたが、前回の講演では、『Dojoツールキット』を使ったメニュー編集・管理画面のサンプルも説明しました。Webブラウザ上でHTMLフォームを使ってカテゴリーの選択やアイテムの位置変更などを行おうとすると結構大変なのですが、Ajaxを活用したDojoツールキットなら、マウスでドラッグ&ドロップしてアイテムを移動したり階層を変えたりといった操作が簡単にできます。こうした、自由度のあるリッチなインターフェイスを提供できる技術には興味がありますね。
--セミナーでは、「次の十年へ」と締めくくっていらっしゃいましたが、今後の展望についてお聞かせください。
中林氏: インターネットが普及はじめたこの十年で、世の中が変化してきました。次の十年でも同じような、かなり劇的な変化が起こると思っています。私は、その中でXMLデータベースやXMLの技術を使い、世の中のパラダイムを変えていくような動きに貢献できればと思っています。日本の技術者の皆さんには、XMLデータベースを使って世界を変えるような面白いサービスを考えてもらいたいです。そんな皆さんを支えていきたいと思っています。
直近では、また渋谷テクニカルナイトにて講演を行います(「あらゆるビジネス・データをマッシュアップ ~Enterprise 2.0は新しい局面へ」)。前回はXMLデータベースの話をしましたが、次回は私のもう一つの担当分野であるエンタープライズ向けマッシュアップの新製品についてお話する予定です。