大阪を中心としたオープンソース系コミュニティの総合カンファレンス「関西オープンソース2008+関西コミュニティ大決戦」(主催:関西オープンフォーラム)が、11月7日、8日の2日間にわたり大阪南港ATC ITMを会場に、「関西Ruby会議01」を併設イベントとして開催された。
大阪を中心としたオープンソース系コミュニティの総合カンファレンス「関西オープンソース2008+関西コミュニティ大決戦」(主催:関西オープンフォーラム)が、11月7日、8日の2日間にわたり大阪南港ATC ITMを会場に、「関西Ruby会議01」を併設イベントとして開催された。
オープンソースによる地域振興の先駆け、ボランティアベースで7年続くOSS系カンファレンス
関西オープンソースは「オープンソースならびにコミュニティが、関西で元気に交流できる場」として、2002年から毎年秋ごろ開催されている。コミュニティや学術関係者を中心にしたボランティアベースで運営され、参加費は懇親会を除いて無料。オープンソースで地域振興を行うという昨今の動きの先駆けともなっている。
7回目を迎える今回は、関西のオープンソースソフトウェア・各種ハードウェアの利用者・開発者など、延べ1500人が集まり、さまざまな展示やステージアピール、最大で6トラックにおよぶ各種セミナーに熱心に聞き入った。関西Ruby会議は、プログラミング言語Rubyの総合カンファレンス「日本Ruby会議」からスピンアウトした一連の地域Ruby会議の1つで、8月の東京、10月の札幌に次いで全国3地点目の開催となる。
東西のビックネームが顔を揃える
セミナーでは、「関西Debian勉強会」のやまねひでき氏によるオープンソース/フリーソフトウェア(FLOSS)の基本的な考え方やライセンスなどの概説、勉強会カレンダーで知られるはなずきん氏も参加する「関西OpenOffice.org勉強会」によるセッションなど、地元のスピーカーによるプログラムのほか、「日本Sambaユーザ会」のたかはしもとのぶ氏、「カーネル読書会」のよしおかひろたか氏など東京からもオープンソースコミュニティのビッグネームが顔を揃えた。
中でも人を集めたのは、先日「はてなブックマーク」のリニューアルベータ版を公開したばかりの株式会社はてな伊藤直也氏による「はてな流大規模データ処理」と、グーグル株式会社シニアプロダクトマネージャ及川卓也氏による「Google Chrome完全技術解説」で、早々と満席になる盛況だった(伊藤氏と及川氏のセミナーについては別途レポート記事を予定)。
また「関西Ruby会議」としては、Ruby関西のあきぴー氏による「Redmine」(Railsによるバグトラッキングシステム)の解説や、Ruby 1.9系統のリリースマネージャーであるYugui氏による「Ruby 1.9の予定と意義」と題されたセッションなどのほか、ライトウェイト・ランゲージ系イベントではおなじみの「ライトニングトーク」が行われた。
そのほか2008年らしいトピックとしては、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースにも名を連ねる「jus(日本UNIXユーザ会)」の小山哲志氏が、WebサービスのIPv6化について解説したり、ニコニコ動画で自作デバイスの作製を競う「ニコニコ技術部」が展示とセッションを持つなど、オープンソースにこだわらない懐の深さと幅の広さを見せる関西オープンフォーラムらしいイベントとなった。
実行委員長の中野秀男大阪市立大教授は、オープニングスピーチで「私は今年で還暦を迎えたが、(以前のイベントを含めて)もう15年この手のイベントに関わっている。これからも15年は頑張ろうと思っている。今年はブースを外にも広げたが、(来年以降も)毎回新しいことをしていきたい」と、未来に向けて気炎を上げた。2009年も、同時期に同会場で開催される予定。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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