ニーズの細分化が進むエンタープライズシステム
種々のデータをどうつなぎあわせるかという感覚を持つということは大切だと米持氏はいい、同社のロッド・スミス氏が数年前にWeb 2.0カンファレンスで語った言葉「重要なのは想定しないこと。たくさんある仕事はすべて想定できない。そういうところをねらうのがWeb2.0」を挙げた。続けて米持氏は、「Lotus Mashups」でのIBMとCodeZineのフィードのマッシュアップを行う操作のデモを行い、フィードの一覧から記事タイトルをクリックすると、その記事を画面内に表示するといったRSSリーダーのようなページを作った。
各製品のデモンストレーション後、米持氏は「エンタープライズの世界は、大きなシステムを作るために動いてきましたが、そのニーズは減少傾向にあります。その一方で、小さいニーズはたくさん残っていて、それをこれまでの技術でやっていてはものすごくお金がかるため、別の技術が登場しました。小さなニーズを実装するために皆がプログラマになるのは無理なので、難しい部分はクラウドの中に閉じ込めてしまって、エンドユーザーが容易に組み合わせられるところまで用意しているのです」と、一連のマッシュアップ製品のまとめとして、新しいビジネスアプリケーションの姿について語った。
セキュリティ
エンタープライズを対象とした製品にはセキュリティの配慮がされていなければならない。米持氏は最後に「Secure Mash technology」を紹介した。悪意のある誰かが、地図のプログラムをダウンロードしたときに、ブラウザの中をスキャンしたログ中に住所と電話番号らしき一覧を見つけたら、自分のサーバーに送り返すということをしたら、情報漏洩となる。Secure Mash technologyは、そのような悪意のあるコードが別のコンポーネントにアクセスしにくくする技術で、この例の場合、漏れては困る住所一覧の情報から地図にアクセスはできても、その逆はできないようにできるものだ。
今回米持氏が話した取り組みは「IBM ソフトウェア・テクノロジー情報」に詳しい。