繰り返し型プロセス
アジャイルプロセスで使われる多くのプラクティスは、繰り返し型プロセスを実施するために最適なツールとして用意されています。従来のウォーターフォール型開発との違いを図2に示します。従来プロセスでは開発初期段階ですべての分析、設計を行い次の工程へ引き継ぎます。一方繰り返し型プロセスでは機能または要求ごとに分析、設計を行いすぐに実装、テストを行います。これをイテレーションという一定期間(1~3週間)で繰り返し実施し完成を目指します。

ガントチャートで完成まですべての計画を立てるだけでは、繰り返し型プロセスをマネジメントすることは難しいでしょう。過去の経験からのフィードバックが少ないチャレンジ要素の強い開発は、繰り返し型プロセスを採用したほうがよさそうです。ことのき短い期間で着実に作業を実施していくための進捗管理手法が必要です。
タスクボードを使った進捗管理
そこでタスクボードの登場です。タスクボードを使った進捗管理の方法を説明しましょう。
タスクボードとは、タスクカードを貼る場所を指します。まず、ホワイトボード、壁、窓など開発メンバーが目に付く場所を選びます。そこを図3のように3つのエリアに分け、それぞれのエリアを「未実施」、「実施中」、「完了」と命名します。
そして、イテレーションの開始時には、今回のイテレーションで実施するタスクカードを未実施のエリアに貼り付け(セットアップし)ます。

このとき、タスクカードには見積もりが記載されているはずですので、それらを合計して今回のイテレーション時間内で実施できるかどうか判断します。見積り時間の合計のほうが大きい場合は、次のイテレーションで実施してもよいもの、優先度の低いタスクを見つけ出し、未実施エリアからはずします。イテレーションの時間に余裕がある場合はタスクカードを追加します。
チームメンバーは作業を開始するとき、実施する作業の書かれたタスクカードを未実施から実施中に移します。このとき、カードに開始日時を記入します。もし、見積り時間がかかれていない、もしくは書かれた見積りに変更がある場合は、この時点で再度見積ります。これをタスクへのサインアップといいます。自分がやる作業を自分で取って実施することを宣言するのです。
実施中の作業が完了したときには、そのタスクカードを実施中のエリアから完了のエリアに移動します。このとき、カードに終了日時と実績時間を記入します。

これを繰り返して実施していけば、イテレーションの終わりに近づくとカードが完了に移動していくことになります。イテレーションの途中でもどれぐらい進んでいるのかが一目でわかります。
